偉人たちの言葉 #4

第四回 西郷隆盛の人事 第四回 西郷隆盛の人事

「部下の気持ちを理解したい」という中間管理職にとって、西郷隆盛は理想の人物に違いありません。一部の歴史学者には、「西郷は思いのほかストレスに弱く、弱点は人事下手だった」と指摘する向きもありますが、果たしてどうでしょう。明治維新の立役者としてだけでなく、民衆を納得させる言葉を持ち、それを行動で示した稀代のリーダーを語る上で、その指摘は説得力がありません。とことん人に慕われ、国家の英雄となった西郷は、自身のまわりの人材をどのように集めたのか。その答えがこの言葉にあります。
人材を採用するとき、
君子と小人との区別を
厳格にし過ぎると、
かえって害を引き起こすものである。

というのは、
世の中で十人のうち
七、八人までは小人であるから、
よくこのような小人の長所をとり入れ、
これを下役に用い、
その力を発揮させるのがよい。

  ※君子=徳の備わった人/小人=徳のない人



超解説
優れた品性や人格を備えていない人であっても、人には必ず、何らかの取り柄がある。その取り柄を見出して"適材適所"に活用してゆくことが大事。西郷は、こうした人事姿勢をいかなる場面でも変えようとせず、生涯貫いたと言います。ところが、いつの時代も"先を急ぐリーダー"はそうした発想はしません。自分のまわりには、優れた者だけを集め、能力に劣る者は適当にあしらって、育てることすらしない。しかしながら、全業界的に"空前の人材難"が言われる今は、そのような考え方をしていては会社の成長は期待できません。これからの企業に求められるのは、まさに西郷が言うように、「小人の長所をとり入れ、その力を発揮させる」ことに他なりません。またそれを、今のリーダーたちは求められているのです。
西郷隆盛(軍人・政治家・革命家/1828~1877) 大久保利通、木戸孝允とともに明治維新の三傑と呼ばれる。第二次長州征伐以後、倒幕の指導者として薩長同盟・戊辰戦争に尽力。維新後、新政府の参議・陸軍大将となるも、西南戦争に敗れて城山で自刃した。
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■記事公開日:2019/09/24
▼構成=編集部

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