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吉村高廣=監修 編集部ライター・渡部恒雄=文

ファシリティコスト優先のオフィス集約

分散していたオフィスを集約させる要因として「業務の効率化」をあげる企業は少なくありません。またグループ内企業の組織再編や合理化、関連会社の吸収・合併などの統廃合がもたらすケースもみられます。
このように、これまでのオフィス集約は、ファシリティコスト(施設関連費用/賃料やメンテナンス費など)を最小に抑えるという経営方針や企業の経営状態に左右されて移転することを指していました。

高い顧客満足度を目指したオフィス集約

こうした要因ではなく、オフィス集約は、市場ニーズを捉えるための体制づくりに積極的に行うべきだ、と言い切る企業があります。拠点の分散はニーズを捉えるチカラを拡散させている、と考えている企業です。
広域分散していた拠点を集約させ、さらには従業員の上下間の境界をなくすことで、顧客対応への集中化が図れます。また全部門が集約されることで、強固なワンストップサービスを実現。結果として、顧客満足度の高いスピーディな対応ができるようになります。

従業員のモチベーション向上

現在の多くのビジネスは、メール、テレビ電話、社内イントラネットの整備、クラウドなどの情報技術の革新で、時間と場所を選ぶことなく遂行できるようになりました。その反面、人と人とのコミュニケーション不足によるビジネス弊害を危惧する声も聞こえてきます。
オフィス集約の功果のひとつに、対面コミュニケーションの活発化があります。従業員が同じフロアにいることから、フェイス・トゥ・フェイスの打ち合わせの機会が増えます。打ち合わせは会議室だけでなく、必要な時に必要な場所で、顔を合わせていつでもできるようになります。
「部門の個室化で、オフィスとしての緊張感に欠けていたうえ、社員同士はエレベータで会っても、同じ会社の人間であることが分からない。多フロアに分散していた縦型オフィスをワンフロアに集約。見通しのよい、人の動きを感じられるオフィスとすることで、ビジネスに活気が生まれた」(情報提供:ソーシャルコミュニケーションギフト商品販売S社)
オフィスをワンフロアに集約させたことで、部門間のミーティングもスムーズになり、従業員間の対面コミュニケーションは活性化され、モチベーションが飛躍的に向上したといいます。集約の成功例ではないでしょうか。
従業員のモチベーション向上

集約から分散を決めた経営

「集約したら顧客満足度の高いサービスが提供できるようになった」「部門を集約させることで対面コミュニケーションが活性化された」「郊外の拠点を都心に集約させた結果、求人募集で良い人材に出会えた」「各拠点にあった会議室が一つになったことで、会議の利用効率が改善され濃い議論がされるようになった」・・・このようにオフィスを集約させることで、ビジネススタイルに変化を求める企業が増えてきています。
一方で経営者の熱い思いから「従業員一人ひとりが起業家としての精神を持ってもらうために、集約移転したトレンドビルのオフィスをあえて解約し、創業時のように小さなオフィスに再び移転させた」という、分散を仕事意欲の活性化に用いた成功事例として注目しておきたいところです。従業員のモチベーションの変化は集約だけでなく分散においても期待できそうです。

経営戦略的な視点で集約を捉える

こうしたオフィス集約や分散の動きは、時代や市場の変化に柔軟に対応しようとする企業の戦略的なうごめきと考えられます。さらに従業員のモチベーション向上を意識した経営戦術の一つとして、集約や分散が期待されていることがわかります。
これまで集約というと、経費の削減、延床面積の縮小や賃料圧縮など数値がクローズアップされていました。いま、もうひとつの大事な目的が課せられ始めています。立地改善やトレンドビルへの集約移転による仕事意欲向上、従業員のコミュニケーション活性化、モチベーション向上を促すためのファクターだということです。ビジネススピードの迅速化やワークスタイルの改革にもつながる経営戦略的な視点から見た集約は、これからも増えていくのではないでしょうか。
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■記事公開日:2013/03/29
▼編集部=構成 ▼吉村高廣=監修 ▼編集部ライター・渡部恒雄=文 ▼写真=フリー素材

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