Female Viewpoint シンガポールNOW #4

シンガポールで働きたいのに就労ビザが取れない!なぜ?

東南アジアを代表する新興国として経済発展を遂げるシンガポール。安全で暮らしやすいこともあり「シンガポールで働きたい」という日本人が増えていると聞きます。
しかし、近年、外国人労働者の数を削減し、シンガポーリアンの就業機会を増やすことを目的に、外国人の就労ビザ取得要件の厳格化が進んでいます。そのため、就職先が見つかっても就労ビザが取得できずに泣く泣く帰国する方も少なくありません。
シンガポールで就業する際にほとんどの方が「エンプロイメント・パス(EP)」と呼ばれる就労ビザを申請します。就労ビザの取得要件には、国籍、年齢、月収、職歴のほか、四年制大学を卒業しており、かつ、シンガポール政府が認知している大学を卒業していることが申請の要件とされています。会社の規模や政府との関係性といった側面からも判断されると言われています。
日本人のみを対象とした
現地採用ができなくなる

EPには月収額や役職、専門資格によっていくつかカテゴリがありますが、一般社員レベルのQ1と呼ばれるカテゴリの給与条件は最低3,300ドル(約26万円)と決められています。しかし、実際は4,000-4,500ドル程度(約32万円)で申請しないと許可がおりないと言われています。
さらに、今年8月からは新ルールが適用され、シンガポーリアンにも公平に求人情報を公開するため、政府が指定する求人サイトに最低14日間求人情報を掲載することが義務付けられます(ただし、従業員25人以下の企業や月給1万2,000ドル以上の求人は対象外)。つまり、企業が現地採用などで最初から日本人のみを対象とした採用活動をすることができなくなるのです。

現在はビザの申請だけでなく、更新も厳格になっていると言われており、すでにEPを保有していて駐在している方でも更新できずに帰国を余儀なくされるケースも見られます。
外国人で就労可能なビザとして、他には「Sパス」と呼ばれるビザもあります。高等専門学校レベルの学歴と技術資格者や実務経験があり、月給が2,200ドル以上であれば申請可能とされていますが、その企業の総従業員数の2割程までしか発行できないという基準が設けられているため、どの企業も申請できるわけではありません。
次回も引き続き「シンガポールのビザ取得事情」についてお話しします。
大井あゆみ Ayumi Ooi
1980年大分県大分市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、教育関連企業に就職・転職を経て、ライター活動を開始。2012年3月からシンガポール在住。オンラインニュースサイト「シンガポール経済新聞」編集長を務めるほか、ライターとしてのさまざまなウェブメディアでの執筆・編集をてがける。
http://singapore.keizai.biz
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■記事公開日:2014/07/23
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・渡部恒雄=監修 ▼シンガポール経済新聞編集長・大井あゆみ=文 ▼大井あゆみ=撮影

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