マーケティング・ランチボックス #6

デジタル思考とアナログ思考

昨今のビジネス環境に目をやると、多くの手間やムダを徹底的に省いた便利なデジタル機器やサービスが増え、スピード感はひと昔に比べてどんどん増しているように思います。しかし、こうしたツールに頼り過ぎていては、方法論と目的を混同し、問題の本質を見落としかねない危険があります。

例えば企画書を作成する時、パワーポイントを使えば、様々な図形やフォント、装飾ができ、手軽に華やかに見せることができます。しかし、多彩な機能があるからこそ、見た目を華やかに作ることばかりに意識が行き過ぎ、その資料のなかでどこを強調したいのかが分かりにくくなっていたり、そもそも肝心な企画書の主旨が練りこまれていない見掛け倒しのものになっていることも少なくありません。

確かに手書きの時代、ワープロの時代の企画書づくりは一苦労で、時間がかかるわりには見た目も美しくはありませんでした。だからこそ無駄を省き、ポイントを絞り込んで企画の主旨がしっかり伝わるような企画書づくりが行われていたはずです。またそれに伴って、プレゼンテーションのやり方や、企画提案を行う能力や工夫する力が鍛えられたのも確かです。

最近はパソコンがないと企画書が書けないという人が激増しているといいます。もっと原則的なことを言うなら、人に何かを伝えるとき、パソコンですらストレスを感じるため、スマートフォンを多用するビジネスパーソンがどんどん増えてきているようです。便利を享受することは結構ですが、その便利が相手に対して「失礼」になっていないかを考えることも頭の片隅に置いておくことも必要です。

1つの作業に限らず、ビジネス全体の構造を見ても同じことがいえます。流行りのSNSによる仕掛けなども、その本質を考えずに安易にビジネスに用いても問題解決はできません。つまり、方法論から思考をスタートさせるのではなく、まず問題点を見抜き必要な手段を考える「アナログな視点」が求められるのがビジネスの原則。デジタル全盛のいまだからこそ、大事にしたいポイントです。
Yuki Akama
赤間裕樹
株式会社マップス
マーケティング・スタッフ
1982年東京都青梅市生まれ。早稲田大学教育学部を卒業後、 株式会社マップスに入社。
各種企業へのマーケティング・プランニング支援、中小メーカーの営業体制構築支援、不動産の新事業立案などのほか、
マーケティング勉強会・交流会を主催し、成果を「企業診断ニュース」 に掲載。
オフィスを借りたい・移転したい インターネットで簡単検索 e-miki.com
■記事公開日:2013/12/19
▼編集部=構成 ▼清野裕司・吉村高廣=監修 ▼赤間裕樹=文 ▼写真=アマナイメージズ

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