働く男の健康ライフ 働く男の健康ライフ

働く男の健康ライフ

Vol.9視覚機能が向上すると、メンタルも強くなる!


ビジネスパーソンにとってメンタルの強さは大きな武器です。それは分かっているけれど、如何せん"ココロの問題"だけに「そう簡単に強いメンタルを手に入れることはできない」と考える方が多いのではないでしょうか。だからこそ「ココロを強くする・整える」といった書籍がベストセラーになるわけですが、本を読んで理屈は分かっても実際には効果が見えにくい、というのが実情です。
「それはそうです。メンタルを支配しているのは"ココロ"ではなく"アタマ"ですから」と話すのは、メンタルビジョントレーニングの第一人者・松島雅美先生。視覚機能の向上がメンタルに及ぼす知られざる効果と、それを実現させるトレーニング方法をご教示いただきました。
Q.

視覚と脳、どんな関係があるのでしょう?

眼は脳の一部と言われており、眼が単体で機能するわけではなく、眼に映ったものが脳で判断されて「理解できる」ということになるのです。まず、それを体感していただくために簡単なテストをしてみたいと思います。
以下の画像には4つのアルファベットが書かれています。何と書かれているでしょう?瞬間的に分かる人もいれば、どれだけ見ても分からない人もいます。

ヒント!上下の青い部分を白い紙で隠してみてください

もうお分かりですね。答えは「LIFE」です。
これは、いろんな視点でものが見えているかのチェックです。判断できなければ、脳は無意味なものとして情報を蓄積しません。したがって何度見ても何と書いてあるか分からないままです。ところが1度分かってしまえば、この画像情報が脳にストックされ、それ以降は瞬時に「LIFE」と判断できるようになります。つまり、眼から入った情報が脳で解析され"実像"として記憶される。これが脳と視覚の関係の起点となります。
Q.

メンタルはココロの問題と言われますが?

メンタルの強い・弱いは、ココロの問題ではなく、脳の使い方の問題です。たとえば前頭前野は、人間らしさを司る重要な脳の領域で、感情をコントロールしたり、状況に合わせて判断したり、意思決定を行います。前頭前野が上手く機能していない人は、感情をコントロールしづらく、グルグル思考からなかなか抜け出せません。つまり、メンタルをコントロールするには、前頭前野を活性化させて"情報処理"をしなくてはなりません。起こった出来事に対して、多角的な見方をして、情報収集を行い、それを速やかに分析して対処する。"ココロの問題"と言われるものは、気持ちの持ちよう以前に前頭前野を活性化させることが大切です。

前頭前野を働かせるためには、しっかり目を動かし多様な情報をキャッチすることが基本です。ところが近年は、子どものうちからスマートフォンの小さな画面で動画を観たり、ゲームをしたりすることが日常化しているため、前頭前野が未発達なまま大人になる人が増えています。小さい頃に外遊びをして視野を広げていた人と、スマートフォンやコンパクトゲーム機に没頭していた人とでは情報処理能力に差がつき、メンタルの強さも違ってきます。それは中高年も同様で、一日中パソコンを見ている仕事だったり、スマートフォンが手離せない人は、次第に前頭前野の働きが悪くなります。それを改善するには「眼の筋トレ」が必要。そのプラクティスは後ほどご紹介します。

Q.

ネガティブな性格も変えられますか?

仕事に自信が持てない。積極的になれない。人から言われたことをいつまでもくよくよ考えてしまう。これら、人の"不快=ネガティブ"な状態に共通しているのは、「わからない」ということです。まさしく冒頭で紹介した
「LIFE」文字が判別できずモヤモヤしている状態と一緒です。
つまり、今の"不快"な状態から抜け出すためのヒント(情報)を持っていないがために、「自分がなぜこうした状況になっているかわからない」「次の一手がわからない」となるのです。この「わからない」状態を放っておくと、いつまでたっても"快=ポジティブ"は生まれません。だからこそ人は、常に新しい情報を更新し、いかなる状況に接しても対応できるよう思考の引き出しを増やしておくことが大切なのです。

人間は五感で情報をインプットしますが、その8割は眼を媒介とします。したがって、眼の働きが良い人は視野が広く、たくさんの情報を瞬時にキャッチします。つまりメンタルが強い人、ポジティブに見える人というのは、
"不快"な状態からいち早く脱出できるよう、活発に前頭前野が働き、情報を処理する能力に長けた人のことをいいます。当然ながら人間である以上、誰でも"不快"は感じるわけで脳構造の基本条件は同じです。したがって、自分の性格を変えようと考えるだけではなく、広い視野をもって小さな情報も見逃さぬよう"眼を鍛える"努力をすることが肝心です。

Q.

加齢も視覚機能の低下につながりますか?

加齢は大いに関係します。一番大きな影響は眼の筋力低下です。眼は目玉を動かすために6本の筋肉がついています。ところが加齢が進むに伴って、カラダの他の筋肉同様、眼の筋肉も衰えてゆきます。筋肉が衰えれば眼を広く動かすことができなくなり視野が狭くなります。さらに、パソコンやスマートフォンばかりを一点集中で見続けていると、眼の筋肉が硬くなりピントを合わせにくくなるなど機能低下は増々顕著です。眼の働きが悪ければ、当然、前頭前野も上手く働きません。こうした状況を改善して、視覚機能を向上させるプラクティスが、今回ご紹介する眼球体操「メンタルビジョントレーニング」です。

毎日たった5分のプラクティス!
メンタルビジョントレーニング・基礎編

1.追従性眼球運動(目標5往復×2セット) 
視点を1点(親指)に固定したまま、首を動かします。眼が視標から離れていないかを確認しながら行ってください。左右・上下・斜めに6本の筋肉をストレッチするイメージです。
①左右に動かす
②上下に動かす
③斜めに動かす

2.跳躍性眼球運動(目標5往復×2セット)
顔の前30㎝くらいのところに両手の親指を立てて交互に見ます。首を動かしてはいけません。メトロノームを利用して一定のテンポで行うのが効果的です。
①左右を見る
②上下を見る
③斜めを見る
3.両眼のチームワーク(目標5往復×2セット)
片手親指を顔前10㎝に、もう一方の親指をできるだけ遠くに立て、奥・手前・奥・手前...と交互にピントを合わせます。
「眼の筋トレ」ですので最初のうちは少し疲れます。そもそも日常生活の中では、左右、上下、斜めと、眼を万遍なく動かすことはありません。したがって、動かしにくい方向が必ず出てくるものです。その動かしづらさを改善して縦横無尽に眼を動かせるようにすることが、前頭前野を活性化して強いメンタルを手に入れる土台になります。

Point臨床心理士 松島雅美さんからの
メッセージ

ココロはアタマの中にある。この考え方がメンタルビジョントレーニングのボトムになります。例えば胸がドキドキする。これも脳が興奮して、その反応として表れる現象で、心臓が勝手に脈打つわけではありません。そして脳は、不安時のドキドキ感と恋愛のドキドキ感を取り違えてしまうことがあります。そこで人間の物事に対する"見方"が大事になってくるのです。似たような感情になる場合でも、目の前の状況次第で対処の仕方は変わるもの。したがって、「いろいろな見方があるんだ」という前提を持つことが肝心で、それがメンタルの強さに直結するのです。そのためにはまず、状況や情報処理の土台である視覚機能を向上させることが大事になるのです。

取材協力:一般社団法人 国際メンタルビジョントレーニング協会
東京都中央区勝どき2-8-12 東京ビュック中銀1509
http://mental-vision.com/

『1日5分でアタマとココロがすっきりする・眼球体操』
松島雅美著(セブン&アイ出版)

※メンタルビジョントレーニングの体験講座や、インストラクターの資格認定講座などを行っています。詳しくは協会ホームページをご覧いただきお問合せください。
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■記事公開日:2018/10/10 ■記事取材日: 2018/09/12 *記事内容は取材当日の情報です
▼構成=編集部 ▼文=吉村高廣 ▼イラストレーション=吉田たつちか ▼取材協力=一般社団法人国際メンタルビジョントレーニング協会

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