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パワーポイントがなくても仕事はできる?

先だって、ある報道番組の有名キャスターが、パワーポイントのことを「知らない」というニュアンスの発言をして話題になりました。それに対して世の中の論評は「そんなことも知らずに仕事をしているのか!」と散々なものでした。しかしながらパワーポイントが使えないということは、イコール企画書が書けないということにはなりません。また提案が不首尾に終わったということはないはずです。にもかかわらず「パワーポイントは仕事をする上での最低のビジネススキル」という手厳しい指摘が相次いだことは、改めてビジネスを遂行していくにあたっての最低限の「ビジネススキル」とは何かを考えさせられ る機会になったように思えます。※パワーポイントとはプレゼンテーション用ソフト

ビジネスに「おれ流」は通用しない

ビジネスで成果を出すために必要なものは何か。そう問われた時、多くの人が「経験に裏付けられた知識」と答え るのではないでしょうか。数年前ならそれも真理だったでしょう。しかし、変化が早い現在のビジネス環境においては、どれだけ素晴らしい実績があっても、その経験則が今の状況で通用するとは限りません。したがってこれからは「自分には自分のやり方がある」という頑なな姿勢を貫くのではなく、環境や状況に応じて最適なビジネススキルを身に付けることが求められます。もちろんそれ(得るべきスキル)は、業種や職 種によっても違いますし、若手社員と皆さんのような管理職の方々でも異なります。

主観を挟まず指示する力

管理職の方々がビジネススキルを学ぶセミナーなどで基本となっているのが、ハーバード大学教授のロバート・カッツ氏が提唱している「カッツ・モデル」呼ばれる3つの能力の棲み分けです。その内訳は、(1)テクニカル スキル(業務遂行能力)、(2)ヒューマンスキル(対人関係能力)、(3)コンセプチュアルスキル(概念化能力)などです。中でもとりわけ重要 視されているのが、3番目のコンセプチュアルスキルで「物事の本質を見極めて部下に正しく指示を出す」「主観を挟まず事実のみを伝達す る」といったものですが、実はこれが今の管理職の方々にはなかなか出来ないそうです。つまり、本来は主観を挟まず指示を出すところでも、つい、自らの成功体験をベースに「おれならこうする」という話し方になってしまうのです。

仕事をゆだねる気概と失敗を許す度量

マネジメントクラスの方々にパワーポイントが使えるか否かを問うことはナンセンスです。それは経営における必須のビジネススキルではありません。経営トップ、あるいは管理職の方々に求められるスキルとは、人材育成という重要な経営課題に対してどのように向き合うかに他なりません。そのためにはやはり、コンセプチュアルスキルの向上が欠かすことがで きません。「仕事を部下にゆだねる気概」や「失敗を許す度量」など、懐の深さのようなものが管理職には必要です。そうしたスキルを持った マネジメントのもとにこそ、今の時代に相応しい、チャレンジングで勢いのある企業風土と優れた人材が育って行くはず。いわば管理職の方々 が底上げすべきビジネススキルとは「人間力」と言うことができるかも知れません。
Takahiro Yoshimura
吉村高廣
日本テレビ系列静岡第一テレビ(SDT)、株式会社マドラコミュニケーションズでキャリアを積み、広告制作を主とする有限会社レイジェスを創設。代表取締役。提案型のコピーライター、クリエイティブディレクターとして各界の広告制作プロジェクトに参画。また書籍の出版プロデューサーとして数多くのビジネス書の企画編集に携わる。
代表的なCEOへのインタビューをはじめ、ビジネス最前線で活躍するキーマンや医療、教育関連の有識者、著名人の取材など多数。ビジネスキーパーソンとのネットワークも広範に持ち、幅広い人脈の中で企業の広告広報活動に寄与する
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■記事公開日:2014/05/15
▼編集部=構成 ▼監修=清野裕司 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼タイトル=大木恵子 ▼写真=素材辞典

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