主婦の目チェック《エビのしっぽ》 #6

「半世紀の経済歴史」

毒楼(DOKUROU)COLUMN WRITER

2016年1月、天皇陛下は国際親善のためフィリピンを訪ねられました。フィリピンへは、皇太子夫妻として昭和37年のご訪問以来54年ぶりだそうです。その頃の高級品の果物と言えばバナナだったようです。

バナナに限らずパイナップルなど輸入する果物はどれもが高嶺の花でした。まずは1ドルが360円という時代です。流通速度も今とは比べものにならないほど遅く、しかも輸送量は少ないはずです。バナナは昔から健康に良い果物として知られていて、特に滋養強壮が期待できるだけに戦前から注目の果物でした。バナナのたたき売りというのは明治末からあるほどでニーズは高かったようです。

輸入自由化されるまでは、このニーズに供給が間に合わなかったためバナナは高級品でした。それでも滋養に良いからという理由で値が高くても奮発し、病気見舞いの折に持って行く果物の代表でした。

最初は日本から近い台湾バナナが人気でしたが、輸送技術が発達し、また大量生産するシステムを導入したフィリピン産バナナが徐々に市場を拡大していきます。さらに高度成長期を経てドルも変動となり、航空便などの輸送力増強、保存技術の向上などでフィリピン産バナナは今や庶民の果物として定着しています。

気軽に食べられるバナナには、ここ半世紀ほどの経済の歴史と流通の変遷が深く関わっていたことを、いただく度に思い出してください。深い味が楽しめるのではないでしょうか。

みんな大事・どれも大切 主婦の目チェック エビのしっぽ

《プロフィール》

イラスト:主婦イラストレーター伊東ぢゅん子:千葉県浦安市在住。大人向け子供向けと、幅広く絵を書いてウン十年。トイプードルとネコ2匹を溺愛している主婦であり、趣味はへたくそなゴルフ。一升瓶の焼酎を横において、毎晩晩酌するただの親父化した呑み助。 伊東ぢゅん子WEBサイト

テキスト:毎日の暮らしに小さな幸せ発見コラムニスト・毒楼(どくろう):1958年生まれ。大手広告代理店コピーライターを経てフリーランサー。幸せは道端に落ちている、がモットーのライター。美味しいお酒と音楽があれば生きていけると豪語。
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■記事公開日:2016/01/28
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・渡部恒雄=監修 ▼コラムニスト毒桜(どくろう)=文 ▼伊東ぢゅん子=4コマ漫画

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