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#4 『善い』企業には独自の『型』がある

『身体に汗をかく』から『頭に汗をかく』へ

『身体に汗をかく』から『頭に汗をかく』へ 学ぶことで『 Skill (学び)』を広げ、日常を違った視点で見つめることで『 Sense (感じる心)』を高める。そして、仕事に対するこだわりを突き詰めて『 Style (芸)』を確立する。過去3回にわたってこれからのビジネスにおける『3つのS』の大切さをお伝えしてきました。シリーズ4回目からは、バブル崩壊以降、旧来型の経営を行ってきた企業における『3S(Skill・Sense・Style)経営』に向けた取り組みの現状をご紹介します。

日本企業の経営は長らく『成長の軌跡』を描くための効率性や生産性をベースに展開されてきました。ところが90年代にバブル経済が崩壊して日本経済は大きなダメージを受けます。それを修復すべく新しい経営モデルが導入され、聞き知れぬ言葉の渦の中で途方に暮れた企業人も少なくなかったと思います。

これは、決められたレールを走る『形(かたち)』の訓練は受けたものの、新しい『型(かた)』を生み出す学びの機会を持たずに歳を重ねてしまったことが一因です。
それまではただひたすらに『行動』することが求められ、「学ぶこと」や「感じること」はほとんど重視されていなかった。いわゆる「身体に汗」をかくことを教え込まれたビジネスパーソンが、新時代を生き抜くために「頭に汗」をかくよう突然指示されても何をどうすれば良いか分からず迷ってしまっている。そうした人が今なおいるのが現状なのです。
新たな視点でビジネスを深める/3S経営

先人たちの言葉にこそ3Sの原点がある

今は新しい経営のモデル(型)が求められている時代。善き企業は、皆独自の『型』を持っています。そしてブルーオーシャンの言葉を持ち出すまでもなく、新しい原野を開拓し、自らの糧を生み出す土地(市場)の創造に知恵と行動が求められているのです。決められた分野での技能を高める学びは、その分野を横に広げる『形』は生み出すものの、新たな視点でビジネスを深めていく『型』をつくることはできません。それを実現させる考えの一つが『3S経営』に他なりません。

しかしながらこの『3S経営』は、日本経済の窮状に突如として現れた救世主ではありません。過去を顧みても、戦後間もない怒涛の時代より今なおビジネスの巨人として語り継がれる先人たちの言葉に触れるとき、そこにはまさしく、表現は違うものの、「学び」「感じ」「芸を磨く」といった、時代を越えて普遍的な意味をもった想いがある。実はこうしたところにこそ、企業が学ぶべき『3S』の原点があるのです。
Yuji Seino
清野裕司
1947年生まれ。1970年慶應義塾大学商学部卒業マーケティングを専攻 。商社、メーカーにてマーケティングを担当し、1981年(株)マップスを創設。現在、同社の代表取締役。マーケティング戦略の立案、商品・店舗の開発支援、営業体制の整備、ブランド開発、スタッフ養成の研修まで、業種業界を超えたマーケティング・プランナーとして、2500種類のプロジェクト実績。

株式会社マップス ホームページ:http://www.mapscom.co.jp
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■記事公開日:2013/08/30
▼編集部=構成 ▼清野裕司=文 ▼写真=フリー素材

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