50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ 50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

スカッシュ ストレス解消には最適! 爽快感満点のインドアスポーツ

かつてはCMなどにもたびたび登場し、"おしゃれなトレンディ・スポーツ"として人気を集めたスカッシュ。2020年東京オリンピック追加競技の最終候補になったこともあり、いま再び注目を浴びています。四方の壁にボールを当てながら交互に打ち合うこのスポーツ。インドアでコートも小さめですが、プレーのスピードは速く、運動量もかなりのものに見えます。
「ここのところ太ってきた」という編集ライター吉村高廣は、果たしてどこまでやれるのか? 東京・港区白金台の『スパ白金』へと向かいました。
スカッシュは、ひとことでいえば、四方を壁に囲まれたコートで、ピンポン球大のゴム製ボールをノーバウンドもしくはワンバウンドで交互に打ち返すスポーツ。イメージはいわゆる壁打ちテニスですが、正面の壁だけでなく、左右と後ろの壁も使えるのが特徴です。

これまでテニスや卓球に挑戦し、それなりの結果を残してきたチャレンジャーですが、スカッシュはまったくの未経験とのこと。
「テニスと違い、壁に向かって打つので誰を相手にしているのかがわからない。それだけにテクニックが必要な気がする」と、勝手な分析をした挙句「でも、ラリーくらいは余裕でやれるんじゃないかな」と、いつものように、根拠なき自信を漲らせてコートに入りました。

さて、指導してくださるコーチは、チーフインストラクターの清水孝典さん。全日本選手権準優勝3回という輝かしい経歴を持ち、日本代表にも選ばれているトッププロのお一人です。さらに"スカッシュ界のマドンナ"こと松井千夏選手のご主人でもあるという、なんとも羨ましいお方なのです。

まずは基本のラケットの握り方から。右利きの場合は、ラケットのグリップに右手の親指と人差し指のあいだを合わせ、握手をするように握ります。ここまではテニスと同じ。ただ、ラケットが格段に軽く「これなら力のない人でも扱いやすいと思う」と、ブンブンとラケットを振り回します。
そしてさっそく、フォアハンドでボールを打つ練習。要領は簡単で、コーチが壁に打ったボールが跳ね返ってくるところを正面に打ち返すだけのこと。

ところがです。コーチはやさしいボールを出してくれるにもかかわらず、打ち損ないや空振りばかり。早くも汗を滲ませて、思わずこんな叫び声をあげます。「なんだよこのボールは!ぜんぜん弾まないよ!」。そう、スカッシュのボールは驚くほど弾みません。ですから、テニスのイメージで返ってきたボールを打ちにいくと、ボールの上で振ってしまったり、当て損なったりしてしまうのです。

しかも、フルスイングしないとボールが跳ね返ってこないことにもかなり戸惑い気味。「アルファベットのUの字を描くように下からすくいあげる感じで!」と、コーチは笑顔でアドバイスをしてくれるのですが、今回ばかりは、なかなか上手くいきません。

しかし、元来の負けず嫌いの性格からでしょうか、コートに入る前に軽口をたたいていた時とは目の色も違います。しばらく続けているうちに、ボールの反発に慣れて上手く打てるように。「ナイス!」とコーチからお褒めの声がかかることが増えてくると...「なるほど!一歩先まで踏み込んで、ひざをうまく使うのがコツみたいですね!」と、ここでもお得意の分析が。ともあれ、フォアハンドの感覚はなんとなくつかんだようです。

続いてバックハンドへ。卓球もそうでしたが、バックショットは得意のようです。安定したボールが返り「おお、ナイス!」とコーチから言葉がかかった途端、打ち損ないが多くなり「ちょっと欲が出ちゃったな」と頭をかきます。

実際には「欲が出た」というよりは、すでに「疲れが出はじめた」という印象で、だいぶ息も上がっています。まだそれほど大きな動きはしていないのですが、スカッシュは前後に素早い動きが求められるため、どうやら足にきているようです。そこに「もっといいところを見せよう」という自己顕示欲があいまって、肩に力が入り余計疲れてしまう。チャレンジャーの悪いクセです。
それ反してコーチは、涼しい顔で、柔らかく、軽く打っているように見えます。にもかかわらずボールにスピードが乗り、きちんと跳ね返ってくるのです。そこを問うと、インパクトのタイミングと手首をやわらかく使うことがコツなんだとか。

逆に言えば、スカッシュにパワーはそれほど必要なく、むしろ相手が返しにくい場所を狙ったり、走らせて消耗させる戦略性の方が重要で、だからこそ中高年や女性でも楽しめる競技なのだそうです。とはいえ、まだそこまで技術と頭脳が追いつかないチャレンジャーは常にフルスイング。それでもなんとか合格点をもらい、いよいよ次は待ちに待った試合形式のラリーです!
スカッシュはラリーポイント制で11点先取したほうが勝ち。通常は5ゲーム1セットで行いますが、今回は1ゲームの勝負です。日本のトッププロ対まったくの初心者。一方的な展開になると思いきや、意外や意外、先取点を奪ったのは、なんとチャレンジャーでした。
これには「おおっ!」見ていたスタッフからも歓声が。その後も接戦が続きます。もちろん、コーチが打ちやすいところにボールを返してくれることもありますが、打ち損なったボールが結果的にいいところに跳ね返ってきて得点するケースが多々あったのです。

ただ、さすがに最後は体力が限界に達したのか、ミスを重ねてゲームセット。8対11で惜敗という結果となりましたが、試合を終えたチャレンジャー、思わず「スカッシュって、おもしろいですねえ!ある程度の体力は必要だけど、頭脳プレーのスポーツですよね。どこに、どう打っていくのかシミュレーションができれば、強くなりますよね」と、またまた独自の分析を交えていささか興奮気味に話します。「その頭脳を使うには、もっと練習が必要だけどね...」というカメラマンさんのつぶやきは、どうやら耳に届いていない様子でした。

清水コーチいわく「スカッシュは、使えるプレーが多いので、身体が小さいなら小さいなりの、パワーがないならないなりの戦い方があるスポーツです。だから子どもさんから高齢者の方まで楽しめるのです」とのこと。スカッシュというスポーツを初めて間近に見ましたが、その言葉には説得力がありました。

最後に、チャレンジャーのプレーぶりについて訊ねてみると...「すごく飲み込みが速くてびっくりしました。伝えたことをそのまま実践してくれるし、対応も速い。マスターズの大会を目指しても全然OKです!」トッププロのお墨付きをもらったチャレンジャーは満更でもなさそう。最後はこんな駄洒落まで飛び出す始末。「すごく爽快感があってスカッとしました。"スカッと"するからスカッシュというんじゃないかな。ねえ、コーチ?」。さすがにこれには清水コーチも苦笑いするだけで、コメントはありませんでした。
体験を終えて
いやあ、おもしろかった。ボールを"打つ"というよりも、"ひっぱたく"感じで爽快でした。テニスのように相手のコートにきちんと打ち返す必要がなく、四方に打てばいいので、さほどボールコントロールを意識する必要もありません。実際にはけっこう動いているのでしょうが、プレーをしていてさほど大変さは感じませんでした。ストレス解消には最高です!(挑戦ライター吉村高廣)

コーチの清水孝典さんから

スカッシュは運動量がすごいというイメージがあって、"自分には無理なんじゃないか"という人が多いのですが、コツさえつかめばそんなことはなく、年齢、性別、スポーツ経験を問わず、どなたでも楽しめます。自己流で始める方もいますが、奥が深いスポーツですので最初はきちんと習ったほうがいいと思います。まずは軽い気持ちで体験していただければ、きっとスカッシュの魅力に気づいていただけるはずです。

取材ご協力

スパ白金
〒108-0071 東京都港区白金台1-1-18
TEL:03-3444-6372
http://www.spa-shirokane.com/
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■記事公開日:2017/11/24 ■記事取材日: 2017/11/08 *記事内容は取材当日の情報です
▼監修・構成=編集部 ▼文=藤田健児 ▼撮影=田尻光久 ▼体験者=吉村高廣

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