働く男の健康ライフ 働く男の健康ライフ

働く男の健康ライフ

ご相談者:二川賢太郎さん/56歳/ITシステム開発会社勤務
今回お話しくださったドクター:東京医科大学八王子医療センター 副院長・神経内科 教授 南里和紀 先生です。


お酒が大好きな二川さん健康診断で高血圧を指摘されました。

「ちょっと血圧が高めですね。一度病院で診てもらってください」。会社の健康診断で、そう告げられた二川さん。「自覚症状があるわけでもないのに、血圧がちょっと高いくらいで病院なんて」とたかをくくっていましたが、奥さまの強い勧めもあって「話だけでも聞いてみようか」と、ようやく重い腰を上げました。すると、高血圧にまつわる、恐ろしい事実が分かったのです...。
Q.

会社の健康診断で「血圧が高い」と言われましてね。でも、自覚症状があるわけではないんです。血圧くらいのことで病院なんて、ちょっと大げさかと思ったんですが、家内がうるさく言うもので...。

A.

高血圧を軽く見てはいけませんよ。高血圧は脳梗塞を引き起こす最大の危険因子です。しかも怖いのは、基本的に高血圧は、自覚症状が現れないということです。血圧が高いからといって頭痛があるわけではないですし、シビレを感じるわけでもありません。

Q.

高血圧が脳梗塞の最大の危険因子...知りませんでした。ちなみに、他にも脳梗塞を引き起こす素因になる危険因子はあるんでしょうか?

A.

健康診断で出る数値で注意したいのが、高脂血症、糖尿病、肥満などに関係したものです。そのほかに日常生活の中では、過度のアルコール摂取や喫煙などでしょうか。高血圧に加えて、これらの危険因子をどれだけ持っているかで、脳梗塞を引き起こす可能性は大きくなります。

Q.

お酒はけっこう飲みますね。でも、まだピンと来ないんですよ。私、まだ56歳ですし、脳梗塞というと、高齢の方の病気というイメージがあって、しかも普段の生活の中では自覚症状がない。そんな自分が脳梗塞になるという実感がわいてきません。

A.

50歳を過ぎて血圧が高く、その他にもいくつかの危険因子を抱えている方が、実際にMRI検査をしてみると、新しい梗塞はないけれど、古い梗塞の跡がみつかる場合がしばしばあります。これを無症候性脳梗塞といい、運よく症状が顕在化しなかったものです。つまり、実際には脳の中で小さな噴火を何度か起こしている方もいらっしゃるわけです。

二川さんの場合は、大きな症状を運よく発症しなかっただけ...と思っていたほうがよいでしょう。脳梗塞以外の怖い病気として脳出血、くも膜下出血があります。これらの病気の危険因子としても高血圧は重要です。したがって脳の病気全般にわたって血圧の管理が非常に重要なものとなります。最近では家電量販店でも血圧計が売られていますので、一家に一台はあった方がいいと思います。
これは決して大げさなことではなく、50歳を過ぎてきたらそのくらいの気持ちで血圧を管理することが、大きな病気を未然に防ぐことにつながります。ただ、血圧は1日の中で変動するため、自分の血圧を知るためにはできるだけ毎日、同じ時間帯に測ることが肝心です。高血圧の学会では、朝起きてから少し落ち着いたら朝食前に測ることが良いとされています。
南里先生からのワンポイント・アドバイス
血圧がちょっと高いなと感じたら「まぁ、大丈夫だろう」という安易な気持ちでいないで、なるべく早く近くのクリニックに受診をしてください。血圧を測定するだけで、その後のアクションを先延ばしにしていては病気が顕在化してくる可能性はそれだけ高くなります。
・東京医科大学八王子医療センター ・・・
http://hachioji.tokyo-med.ac.jp/
・東京医科大学八王子医療センター 神経内科・・・
http://hachioji.tokyo-med.ac.jp/division/d07.html
・東京医科大学八王子医療センター 脳神経外科・・・
http://www.hachioji.tokyo-med.neurosurg.jp/
■記事公開日:2014/04/28
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼編集部・渡部恒雄=撮影

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