働く男の健康ライフ 働く男の健康ライフ

働く男の健康ライフ

ご相談者:鈴木淳さん(仮名)/46歳/旅行代理店勤務
今回お話しくださったドクター:東京医科大学八王子医療センター 耳鼻咽喉科・科長 小川恭生先生です。


責任感が強く残業続きの鈴木さん。ここのところ頭を動かすと激しい目眩(めまい)がすると言います。

人に呼ばれて振り向いたときや、うなずいたりするだけで目がまわることが頻繁にあるという鈴木さん。症状をネットで調べたら脳の異常も考えられると...心配になり脳外科でMRI検査を受けたところ特に異常は見当たらず、耳鼻咽喉科での受診を勧められました。「めまいと耳にどんな関係が?」と思いつつ訪ねたところ、原因はどうやらストレスらしいということでした...。
Q.

脳外科で調べても異常がなく。
「原因はおそらく耳ではないか」と
耳鼻咽喉科を勧められて来たのですが。

A.

脳外科の先生は、半規管、耳石器(じせきき)の異常に疑いを持ったからだと思います。分かりやすく言いますと、耳の周辺には半規管、耳石器というものがあって人が生活する上で平衡感覚を保つセンサーの役割を果たします。頭を動かした時に半規管、耳石器がその加速度を感知して目の動きを調節するわけですが、この半規管、耳石器に異常が出るとバランスがとれなくなってめまいが起こるという仕組みです。よって、振り向いたり、うなずいたり、首を動かした時にめまいが起こるというのは内耳に何らかの問題があると考えられるわけです。

Q.

その耳石器の異常が原因でしょうか?
めまいだけでなく、そう言われますと
耳鳴りもするようにも感じていたんです。

A.

いえいえ、そう簡単に決めつけられません。実のところめまいの原因は特定しにくく、私たちが神経耳科的な目の動きや聴力検査をしても異常が見られないことも意外に多く、今のようなストレス社会では心因的なものが影響することも考えられます。特にめまいはストレスの影響を強く受けます。 したがって、めまいを理由に来院される患者さまには鬱のアンケート調査も行います。神経耳科的な検査を行い、明らかに異常が顕在化した方の場合は鬱である可能性は低いのですが、逆に、検査をしても何の異常も見られない方の場合は、ストレスなどによる心意的要因から鬱の指標が高い傾向もあるのです。

Q.

えっ!鬱の可能性もあるんですか?
ストレス過多かなとは思っていますが。
鬱という自覚はまったくありませんが。

A.

鈴木さんの場合はアンケートを見る限り鬱の指標は高くありません。むしろ軽度の良性発作性頭位めまい症、あるいは軽度のメニエール病の疑いも考えられます。
良性発作性頭位めまい症は女性に多く見られますが男性でも起こりうる病気で、朝起きるときや、頭を動かすと回転性めまいが起こります。また、メニエール病はめまい時の回転性が激しく、吐き気を伴い耳鳴りが起こります。またこの病気は過度のストレスが影響し、几帳面で頼まれた仕事を120%の力でこなそうとする方などに多く見られます。何しろ検査をしてみなければ正確なことは言えません。これを機会にきちんと検査をしてみましょう。

めまいというのはカラダに無理がきている信号だと考えて良いでしょう。「ストレス=めまい」という結びつきはなかなか発想しにくいと思いますが、傾向としては、仕事が大変になってきたとか、家庭でなにか問題が起きている方は、めまいを起こす方が少なくありません。したがって、病気の診断に加えて、病気になる原因をしっかり調べて、その原因を追究して対処方法を考えていくことが大事です。予防もなかなか難しいのですが、ウォーキング程度の適度な運動と十分な水分補給、そして睡眠をしっかりとることで、できるだけストレスを溜めないことが肝心です。
小川先生からのワンポイント・アドバイス
めまいがしたら、まずどこに行けばいいかという問題があります。必ずしも街の耳鼻科医院に行けば正しい判断を下せるわけではなく「めまい相談医」という資格を持った医師に相談することが必要です。こうしたことはインターネットでも簡単に検索ができますので、まずはご自分で「めまい相談医」の資格を持った医師を近くで探して症状に対するアドバイスを仰ぐことが良いでしょう。
・東京医科大学八王子医療センター ・・・
http://hachioji.tokyo-med.ac.jp/
・東京医科大学八王子医療センター 耳鼻咽喉科・・・
http://hachioji.tokyo-med.ac.jp/division/d22.html

・監修:東京医科大学八王子医療センター 脳神経外科・・・
http://www.hachioji.tokyo-med.neurosurg.jp/

*記事内のご相談者はコンテンツ表現上でご出演いただいております。ご相談者の実際の病気、症例とは異なります。
■記事公開日:2015/03/23
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼編集部・渡部恒雄,吉村高廣=撮影

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