働く男の健康ライフ 働く男の健康ライフ

働く男の健康ライフ

ご相談者:斎藤隆夫さん(仮名)/55歳/広告制作会社勤務
今回お話しくださったドクター:ナガタ歯科医院(東京都渋谷区) 院長 長田博史先生です。


虫歯が一本もない斎藤さん。最近夕方になると歯茎が腫れて痛いといいます。

「これまで一度も歯医者さんの世話になったことがない」それが自慢だった斎藤さん。ところがここのところ、夕方になると歯茎が腫れて痛いといいます。残業が多い仕事だけに「これじゃあ仕事にならない」と、仕方なく歯医者さんを訪ねました。すると先生は、歯と歯茎を撮影した写真を指さしながら「ほら、歯茎が退縮してますよね。これは歯周病の初期症状なんです」と告げたのです...。
Q.

よく歯周病予防は歯磨きが大切だといいますよね。
歯磨きだけは毎日しっかりしていたつもりなんです。
今のところ虫歯もありませんし。
なのになぜ歯周病になるんでしょう?

A.

歯周病は徐々に進行していく慢性疾患なので、なかなか自覚症状がでにくいんです。したがって斎藤さんの場合も、実は以前から歯周病になる因子があって少しずつ進行してきたということがいえます。もちろん歯磨きをこまめにするのは歯周病予防にはとても良い習慣です。でも大事なことは、ただ磨くのではなく正しく磨くことです。つまり歯周病の予兆が見られるということは、正しい歯磨きができておらず汚れを落とせていなかったということです。そうした方は案外多いのです。

Q.

日中は何ともないんですけど、
夕方になって疲れてくると
歯茎が腫れて痛みだすのはどういうことなんでしょう?

A.

加齢に伴う免疫力の低下が一因と考えられます。歯周病は歯の汚れを温床とした細菌によって組織が破壊されることで発症します。若いうちはリカバーする力の方が高いので症状は現れにくいのですが、斎藤さんは50歳を過ぎたころからなんとなく歯茎が気になり始めたとおっしゃいました。写真を見る限りでは、もう少し前から歯周病は進行していたように思えますが、それまでは免疫力が働いて、一日の疲れが出始める夕方も細菌の働きを抑え込めていたのでしょう。ところが50歳を過ぎた頃から免疫力が衰えてきて、疲労と共に症状が現れるようになったと思われます。

Q.

このままでは仕事に悪影響を及ぼしますし
早く治したいというのが率直なところです。
歯周病を直す特効薬のようなものはありませんか?

A.

ここ数年前から歯周病によく効く抗生物質があって、それを飲むことで症状が劇的に改善されたという症例も出ています。ただそれは根本的な治療になるわけではなく、薬の効きめが切れてくれば復活します。またこうした薬に頼り始めると、歯磨きなどの日常的なケアを疎かにしがちなって、結果、薬が切れた時の進行を早めてしまうということにもなりかねません。したがって、歯科医としてはあまり推奨できるものではありません。

今の状態はまだ初期症状ですので、まずは歯石を落とすことと正しく歯磨きをすることに尽きます。お口の中を見る限り、斎藤さんの場合は歯の裏側、とくに奥歯の裏がまったく磨けていませんでした。歯周病になる方は多くの場合がここに問題があります。歯というのはご自分が思っている以上に奥の方まで続いていて、歯ブラシが届いていない場合が多いのです。歯石の除去は歯医者さんに任せるとして、日常的なケアは奥歯の裏側までくまなく歯ブラシを当てて汚れを落とすことが大事です。そうすれば徐々に改善されるはずです。
長田先生からのワンポイント・アドバイス
歯周病のケアや予防は正しく歯磨きをすることも大事ですが、その前に、自分の歯や歯茎の状態を知ることが大切です。鏡で自分の口の中をくまなく観察してみて、歯の汚れがどの程度あるのか、歯垢らしきものが見当たらないかといったことをチェックした上で正しく歯磨きをすること、それが基本になります。
歯周病に限らず、どのよう病気であっても、まずは自分の状態を知ることが肝心です。ですので、口の中に不具合を感じたら歯医者さんに駆け込む前に、まずは鏡で口の中を観察して、しっかり歯の汚れをとるように歯磨きを続けてみてください。それで改善されるケースも少なくありません。
・ナガタ歯科医院/東京都渋谷区2-11-1ナガタビル2F・・・
http://www.nagata-dental.jp

*記事内のご相談者はコンテンツ表現上でご出演いただいております。ご相談者の実際の病気、症例とは異なります。
■記事公開日:2014/08/20
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼編集部・渡部恒雄=撮影

過去の記事

リアル・ビジネス
英会話
〈5〉
This is he. それは私です 本語でのやり取りでさえ、多少の緊張を強いられたり... 2017.10.03更新
シリーズ清野裕司の談話室
〈4〉
いまの時代"ベンチマーク"は有効なのか? 上手くいっている企業の仕組みを手本にしているのに... 2017.09.26更新
日本の匠シリーズ
〈10〉
表現を行う上では、男も女もない。 大切なのは、妥協なく精進し、覚悟を持つこと。 およそ300万人もの観客が訪れた今年の青森ねぶた祭... 2017.09.21更新
働く男の健康ライフ
〈5〉
また今日も眠れない...、その理由は?改善策は? 皆さんは毎晩十分な睡眠をとれていますか?... 2017.09.19更新
今月の一言二言
〈9〉
もし、エディー・ジョーンズが、あなたの上司だったら 2015年のラグビーワールドカップで、世界3位の南アフリカを破った日本... 2017.09.05更新
エリア特集
〈14〉
日本経済の一翼を担う大阪市《後編》 1970年3月15日から9月13日まで開催され、6421万8770人もの人々が訪れた大阪万博... 2017.08.25更新
チャレンジ・スポーツ
〈11〉
卓球 老若男女を問わず、 長く続けられる趣味として! 運動不足解消や健康維持を目的にスポーツをはじめても、何かしら目標がないとなかな... 2017.08.25更新
リアル・ビジネス
英会話
〈4〉
Don't be sorry! 謝る必要はないよ アメリカにきたばかりの日本人は、すぐに「Sorry」 を... 2017.08.03更新
企業見聞
〈14〉
ペット関連市場で業界資産の拡大をも視野にイノベーションを 多くの産業が成熟期を迎え成長率が頭打ちとなる中、犬や猫... 2017.07.26更新
働く男の健康ライフ
〈4〉
飲食の習慣を見直して"夏太り"と"夏バテ"を解消! たくさん汗をかくし、あまりの暑さに食欲もない...だから夏は... 2017.07.18更新
リーダーズ・アイ
〈2〉
女子卓球元日本代表監督・村上恭和の視点 時間と手間を惜しまない。これが、選手の心を掌握してきた村上流マネジメント 2017.07.13更新
シリーズ清野裕司の談話室
〈3〉
なぜいまだに『論語』が読み継がれているのか? ビジネスパーソンとしても、ひとりの人間としても十分... 2017.07.12更新

バックナンバー※2017.04.17 現在