働く男の健康ライフ 働く男の健康ライフ

働く男の健康ライフ

ご相談者:高尾潤さん/55歳/イベント企画会社勤務
今回お話しくださったドクター:東京医科大学八王子医療センター 副院長・心臓血管外科 教授 進藤俊哉先生です。


お腹が出てきた高尾さん。ここ最近歩くと足が痛いといいます。

「いよいよ自分の体重も支えきれなくなったかな...」そんな気持ちで整形外科を訪ねた高尾さん。すると先生は「こちらでしっかり診てもらってください」と、心臓血管外科に紹介状を書いてくださいました。「足が痛いだけなのに、心臓?血管?」。そんな疑問と不安を抱えて検査を受けたところ、なんと、動脈硬化症の疑いを指摘されてしまったのです...。
Q.

動脈硬化...先生、私、心臓はなんともありませんよ。胸が痛くなったこともなければ、息切れがするようなこともありません。動脈硬化って心臓の病気ですよね?私が痛いのは、足なんですけど...。

A.

ひと口に動脈硬化といっても、症状が心臓に現れれば狭心症や心筋梗塞、弁膜症と診断されますが、閉塞性動脈硬化症の場合は、足に症状が出ることがあるんです。高尾さんのケースはまさしくそれが疑われますね。原因は、生活習慣病の1つである高脂血症や喫煙などです。

Q.

高脂血症とおっしゃいますが、とりわけ大食いをするわけでもなく食べる量は昔と変わりません。それに脂っこいものを好んで食べるというわけでもありません。

A.

若いうちは筋肉量も多く、基礎代謝量も大きいのであまり脂肪になることはありません。でも、50歳を過ぎても同じ量を食べ、運動もせずにいたら脂肪はどんどん蓄積されていきます。こうした生活を長年続けていれば当然ながら高脂血症にもなりやすく、血管内の動脈硬化も進んでいきます 。

Q.

ということは、タバコを吸わず、食事の量をコントロールして、日常的に運動をしていたら高脂血症にならなかったし、動脈硬化を疑われることもなかったんですね?

A.

正確にはそうとも言い切れないんです。そもそも男性であるということと、50歳を過ぎた中高年であるということだけで、動脈硬化を引き起こす危険因子をすでに2つ持っていることになるんです。ただおっしゃるように、生活習慣病を予防する心がけは中高年の方が健康的に働く上で大きくプラ スに作用することは間違いありません。それは非常に大事なことです。

今の高尾さんの状態は、すぐに外科手術が必要になるようなものではないと思われます。閉塞性動脈硬化症をおこして足が痛くなり「即手術」という人は、痛みやしびれが長く続いていて、それを放置していたケースがほとんどです。「ここ最近、足に痛みを感じる」という高尾さんの場合は、内科の先生と相談をして、投薬治療と生活習慣の改善(運動療法や食事療法)を行えば、動脈硬化の進行を制御し、退縮させることもできると考えられます。
進藤先生からのワンポイント・アドバイス
高脂血症を予防して動脈硬化を抑止するには、運動と食事管理の2つが大事です。忙しくて運動をする時間がとれないというのなら、通勤帰りの1駅分を歩くくらいでも良いでしょう。確かに続けることは大変ですが、体が資本の働き盛りの大黒柱なら、そのあたりはしっかり考えてみるべきではないでしょうか。
・東京医科大学八王子医療センター ・・・
http://hachioji.tokyo-med.ac.jp/
・東京医科大学八王子医療センター 心臓血管外科・・・
http://hachioji.tokyo-med.ac.jp/division/d13.html
・東京医科大学八王子医療センター 脳神経外科・・・
http://www.hachioji.tokyo-med.neurosurg.jp/
■記事公開日:2014/06/30
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼編集部・渡部恒雄=撮影

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