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もう手離せないデジタル技術の恩恵

インターネットを軸としたデジタル技術の普及は、私たちの生活をとても便利なものにしました。そしてその恩恵は多くの人にとって計り知れないものとなっています。ネットショッピングを利用すれば、わざわざ店に足を運ばずとも欲しいものが簡単に手に入れることができます。しかも場合によっては、小売り店よりも安く購入することもできます。
また、スマートフォンには、道案内をしてくれる地図やさまざまな種類の電子メールがデバイスされ、一度でもその便利さの恩恵にあずかると、なかなか手離し難くなることは間違いありません。そして今後は業態を問わず、こうしたデジタルとビジネスを上手に紐づけることが、これからの時代に伸びる企業の鍵となるのは間違いないでしょう。

デジタルの便利さとクオリティの溝

ところが、便利さの代償が思わぬところに現れています。それは、プロフェッショナルな仕事の減少です。デジタル化が進めば、今まで素人には困難だったことが手軽にできるようになります。したがって、そこにプロの手が加えられるべきであったはずの「技術」や「話術」の必要性が軽減されます。
たとえばデジタルカメラの普及によって、プロカメラマンの需要は激減しています。誰でも簡単に写真が撮れるようになったことが要因です。しかしながら、プロと素人の間には歴然とした差があり、それは今のデジタル技術では埋めようがありません。ビジネスにおけるデジタル化の問題はここにあります。つまり、便利さや手軽さ、低コストを追求するがあまり、本来そこに介在すべき人手を省略したことでサービスの質が下がれば、目の肥えた消費者には選ばれないことにもなりかねません。

誰がやっても同じ結果が出るのなら...

こうした一方で、利用者に便利の恩恵を存分に与え、ビジネス自体を軌道に乗せているのが金融業界です。金融業界は最もデジタル化が進んでいる業界ともいわれています。コンビニエンスストアと連携することで24時間利用できるATMを数多く設置。その一方で店舗数を徐々に減らしながら、顧客満足度の向上と人材固定費の削減を上手く執り行っています。
ここで見えてくるのは、誰がやっても同じ結果が出る業務については、デジタル化は非常に有効であるけれど、プロならでは技術を必要とする仕事や、専門的なアドバイスを必要とする業務については、今のデジタル技術では、まだ力不足であるということではないでしょうか。

人間とデジタル技術の協働に向けて

とはいえ、デジタル化の進歩は目覚ましい勢いで進んでいます。2013年には将棋のプロ棋士がコンピュータに負け、知的なゲームでさえデジタルな知能が勝る時代となっています。当然これからは、知的労働のジャンルにもデジタル化の波が及んでいくでしょうし、そこまで大げさな技術でなくとも、これからのビジネスシーンではデジタル化の波に乗り遅れた企業は淘汰されていくことは間違いないでしょう。
だからこそ「人の力が大事になってくる」ということができます。いかに優れたデジタル技術をもってしても、ビジネスの画を描くことはできません。対話の中から見えてくるアイディアや、啓示のような閃きというのはデジタルな知能からは生まれません。つまり、あるジャンルにおいてデジタルは人を超えることができないし、またその逆も然りです。だからこそ、人間とデジタルが上手い具合に協働できる環境づくりが必要で、それがデジタル時代を生き抜く企業の条件になるのです。
Takahiro Yoshimura
吉村高廣
日本テレビ系列静岡第一テレビ(SDT)、株式会社マドラコミュニケーションズでキャリアを積み、広告制作を主とする有限会社レイジェスを創設。代表取締役。提案型のコピーライター、クリエイティブディレクターとして各界の広告制作プロジェクトに参画。また書籍の出版プロデューサーとして数多くのビジネス書の企画編集に携わる。
代表的なCEOへのインタビューをはじめ、ビジネス最前線で活躍するキーマンや医療、教育関連の有識者、著名人の取材など多数。ビジネスキーパーソンとのネットワークも広範に持ち、幅広い人脈の中で企業の広告広報活動に寄与する
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■記事公開日:2014/09/22
▼編集部=構成 ▼監修=清野裕司 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼タイトル=大木恵子 ▼写真=素材辞典

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