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いま企業はどんな人材を求めているのか

近年のビジネスパーソンにとって『コミュニケーション能力』は必須のスキルといわれます。2012年に経団連が行った『求められる人材像』のアンケートでも、これまで企業が人材採用時に重視してきた『仕事に対する熱意』や『職業意識』を抜き、82.6%もの企業が『コミュニケーション能力』を一番に挙げており、人材評価の判断基準が垣間見えます。こうした現状を受け、就職活動を行う学生や対人関係に自信が持てないビジネスパーソンたちに、コミュニケーション能力を高める書籍が飛ぶように売れ、セミナーは大盛況という現象が生まれています。今回はこの『コミュニケーション能力』について考察します。

コミュニケーションスキルは世代間の橋渡し

コミュニケーション能力が着目される一番の理由は、世代間におけるギャップにあるといわれます。世代が違うと「何を考えているか分からない」とか「本心が見えない」という人が多く、彼らはそれが仕事に支障をきたすと考えます。つまり、お互いに腹を割って会話ができ、共通の感情や言語を持っていてこそいい仕事ができる。多くの企業がコミュニケーション能力を求める理由はここです。確かにそれが実現できれば会社は素晴らしい共同体となるでしょう。しかしながら「人の気持ちを理解しよう」というところから始めてしまうと、営利追求に向けたビジネス・スピードが減速することもにもなりかねません。

フラットな人間関係をいかに築くか

現在の『コミュニケーション能力ブーム』について、経営戦略論の研究者はこう指摘します。「ビジネスにおいては、ある1つのテーマに対して"私はこう思うが、あなたはどう思うか"ということを率直に語り合えることが大切です。そこに人間性を問う必要はなく、相手が多少異端児で、仮に自分と気が合わなくても、それが素晴らしい意見であれば採用すればいいのです。そうしたフラットな人間関係を築けることが真のコミュニケーション能力でしょうし、会社が躍進していく源にもなるはずです」と。

ほんとうの力は仕事を通して磨かれる

今いわれているコミュニケーション能力とは『人間を知ろう』とか『相手を傷つけないようにしよう』というところが軸になっています。つまり、相手の顔色を気にしながら向き合うことがコミュニケーションの大前提になっているようです。だからこそ、あらゆる書籍やセミナーで、まずは「人と向き合うときは常に笑顔で、相手が話すときはタイミング良くうなづきましょう」といった『気遣いの原則』がレクチャーされるわけです。しかしながら実際のビジネスでそれを応用しようと思っても、ストレスが溜まるばかりでなかなか上手くいことはない。これが現実です。
一緒に考えなくてはならないテーマについて忌憚なく意見をぶつけ合える関係づくりこそが今求められる力。コミュニケーションの真理はここにあります。またそれを実行する力は、書籍やセミナーで学ぶものではなく、ビジネスの現場で揉まれながら体得していくものではないでしょうか。
Takahiro Yoshimura
吉村高廣
日本テレビ系列静岡第一テレビ(SDT)、株式会社マドラコミュニケーションズでキャリアを積み、広告制作を主とする有限会社レイジェスを創設。代表取締役。提案型のコピーライター、クリエイティブディレクターとして各界の広告制作プロジェクトに参画。また書籍の出版プロデューサーとして数多くのビジネス書の企画編集に携わる。
代表的なCEOへのインタビューをはじめ、ビジネス最前線で活躍するキーマンや医療、教育関連の有識者、著名人の取材など多数。ビジネスキーパーソンとのネットワークも広範に持ち、幅広い人脈の中で企業の広告広報活動に寄与する。
■記事公開日:2013/05/22
▼編集部=監修・構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼渡部恒雄=撮影

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