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一つの事業に腰を据えていいのだろうか...

『経営の多角化』この言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージを持たれるでしょう?あれやこれやと何にでも手を出す"腰の軽い経営"をイメージするか、不確実な時代に攻め込むための"フットワークの軽い経営"をイメージするか、おそらくこの2極に分かれるものと思われます。バブル崩壊以降、長らく多角化経営は否定され、一つの事業に腰を据えて取り組むことが善しとされてきました。ところが、昨今の情報化社会に後押しされるように、消費者は様々な情報をもとに「欲しいもの」を選択できるようになりました。それに伴いニーズは多様化し、製品やサービスのライフサイクルも短くなっています。こうした時代にあって多角化経営がにわかに注目されつつあるのです。

経営資源の分散と新しい商機開拓に向けて

多角化経営を意識する、あるいは実行する根底にあるものは『不安』です。たとえば、ある企業が人気商品やサービスを持っており、その事業を未来永劫継続させていこうと思っていても、ライバルの登場や市場そのものの変化によって予期せぬ事態に陥ることも少なくありません。というより、今はそれが普通です。そうした市場環境の不確実性に対して、経営資源の分散と新たなビジネス機会を見出すために、多角化経営に乗り出す企業が増え続けているのです。それは既存の事業以外の市場において収益を確保する戦略です。自社が有する経営資源を最大活用する、あるいは異業種とのコラボレーションを行うことで、別市場でも利益を増大させ持続的な成長を実現するための手段です。

コンビニに見る多角化経営の攻めの一手

多角化経営が注目されるもう一つの理由は、業界や業種の垣根がなくなって、異業種を相手に顧客の獲得競争を強いられる市場環境が挙げられます。となると、必然的に異業種のスキルを取り込む、あるいは手を組まないと事業そのものが成り立たないというケースもでてくるのです。たとえば、少し前に大ブレークしていた本格コーヒーショップが、コンビニの持ち帰りコーヒーを相手に戦々恐々としています。一部のコンビニは、すでにかつてのコンビニではなく、異業種とも戦うことのできるマルチでリアルな場所に変化しつつあるのです。こうなると本格コーヒーショップは更なる策を考えなくてはならない。美味いコーヒーだけでは勝負になりません。その一方で、体力のないコンビニ、柔軟な発想ができないコンビには大きく立ち遅れて、同じ土俵で戦うことができなくなっているのも現実です。

これまでの概念を捨てて発想の転換を行う

時代はどんどん変わっていて、それに順じて事業のやり方も変えていかなくてはならない。これが今のあらゆる市場に共通して言えることです。もしかすると、実直に1つの事業をやっているだけでは限界があり、なんらかの事業とコミットさせて複合形にしていくことが、今後どんなビジネスでも当たり前のオプションになるかも知れません。確かに、新たな市場の開拓や設備投資も必要です。にも関わらす本業と違うところでは力が発揮できないのではと考える方も少なくないと思います。ただ、そうした固定概念を捨てて発想の転換をすることが多角化の成功の鍵でもあります。それぞれの事業を自立させながら、その姿を横目で見ながら相乗効果によって共に伸びていくというビジネスの法則。それさえつくることができれば、これからの時代を生き抜く強い企業になることは間違いありません。
Takahiro Yoshimura
吉村高廣
日本テレビ系列静岡第一テレビ(SDT)、株式会社マドラコミュニケーションズでキャリアを積み、広告制作を主とする有限会社レイジェスを創設。代表取締役。提案型のコピーライター、クリエイティブディレクターとして各界の広告制作プロジェクトに参画。また書籍の出版プロデューサーとして数多くのビジネス書の企画編集に携わる。
代表的なCEOへのインタビューをはじめ、ビジネス最前線で活躍するキーマンや医療、教育関連の有識者、著名人の取材など多数。ビジネスキーパーソンとのネットワークも広範に持ち、幅広い人脈の中で企業の広告広報活動に寄与する
■記事公開日:2013/11/28
▼編集部=監修・構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼タイトル=大木恵子 ▼写真=ペイレスイメージズ

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