着眼・最前線 着眼・最前線

着眼・最前線

輝き続ける女性であるために。「お稽古」や「習い事」をサロンビジネスとして確立。

女性として、楽しく輝いて生きていきたい。
そうした理想を、独自の発想力と果敢な行動力で手に入れた
安本由佳さんの人生と仕事の着眼点を聞きました。

仕事とは自らが創り出すもの

仕事に対する価値観の転機は、化粧品のベンチャー企業で働いていた時。ここでの仕事が今の私のボトムとなっています。それまで私は、仕事は与えられるものだと思っていましたが、仕事は自分でつくるもので自分が動かなければただ暇なだけ。積極的に動いてさまざまな人とコミュニケーションをとりつつ自分のプレゼンスを発揮していかないと存在価値がないということを学びました。
その後、結婚を機に大手損保会社に転職しましたが、もっと自分らしく働ける仕事がしたい、自分で事業を立ち上げてみたいという気持ちが芽生えます。そこで、何をするにせよ発信できる媒体が必要と考え、ブログを開設しました。同世代の女性が毎日読みたくなる記事、読むと前向きになれるような記事を書くように心がけていたら、3年が経つ頃には読者数400人超、平均5,000PV/日のブログに成長。ポーセラーツと出会ったのもちょうどその頃のことです。
ポーセラーツとは、真っ白な食器をキャンバスにして自分好みの絵や模様を描きmy brandのテーブルウェアをつくるハンドクラフトです。こういった習い事はお金持ちの主婦の趣味で自分とは関係のないものと思っていたのですが、ポーセラーツと出会い、手作りの食器で食卓を彩ることで得られる心の豊かさを教えてもらいました。幸せというのは、日々の生活の中に幸せを感じられる心のゆとりなんだと実感し、このことをたくさんの女性に伝えたいと思ったんです。そこで、思い切って会社を辞めて当時住んでいた川口のマンションで、ポーセラーツとフラワーアレンジメントのハンドメイドサロンをスタートさせました。こつこつと続けてきたブログで募集をかけたところ、郊外にも関わらず東京、神奈川、千葉など県外からもたくさんの方が通ってくださり1年間で100名を超える生徒数を抱えるサロンとなりました。
『小さなサロンから、今は事業の裾野が広がっています』?安本由佳

女性の繊細なニーズを捉える

一昨年から、酵素ビューティーのスクール運営にも力を注いでいます。こちらについては『女性の生き方観』のような部分で考え方が一致したパートナーと、昨年3月に『株式会社ラディエンヌ』という会社を立ち上げ共同運営しています。近年、女性の間では『酵素』はホットな話題ですが、オーガニックやナチュラル思考の強い方たちは健康に対する意識が非常に高く、禁欲的な生活をしている方も少なくありません。意識が高いことは悪いことではありませんが「ちょっとお洒落じゃないかも?」という思いもあり、私たちはもう少しライトな感覚で生活の中に楽しく取り入れられるような酵素の活用法を提案しています。普通の女性は、酵素にも興味がある一方ケーキも大好きです。美味しいレストランやお酒だって好きなはずです。なぜなら私がそうだから(笑)。ビジネスの視点からもそうした女性たちこそが最大の消費層です。
酵素ビューティースクールは独自の資格制度を設け、規定のカリキュラムを修了すると認定講師として講座開講ができる仕組みを構築しました。本部が提供するテキストを基に、主婦やママでも家事・育児の空き時間に容易にレッスンを開催することができます。家庭を第一に考えながら自分のペースで働きたい、という今の時代の女性のニーズを捉え、設立1年で全国に100名を越える会員を獲得。OLや専業主婦だった女性がラディエンヌでの資格取得をきっかけに起業し、活き活きと働いている姿を見ると心からやりがいを感じます。今後は会員の事業サポートにも力を入れていきたいと思っています。

『起業して、活き活き働く女性をサポートします』?安本由佳

ワンアンドオンリーな暮らし方を軽井沢から情報発信

3年ほど前から、ライフスタイルについて真剣に考えるようになり、今年、軽井沢に移住しました。心にゆとりを持ち、毎日を丁寧に暮らす理想のライフスタイルを実現するために、広い庭のある戸建に住んで、周りに緑がある落ち着いた生活がしたかったんです。軽井沢なら主人も通勤可能で私自身のブランディングにとっても最適な場所だと思いました。私のプライオリティは仕事が第一ではなく、私と主人がいかに心地よく心豊かに過ごすことができるかが最優先。そんなふうに言ってしまうと「なんだ、あなたの仕事は趣味の延長じゃないか」とおっしゃる方もいますが、私はあえて反論しません。なぜならそれは事実だから。私にとって仕事は最大の趣味であり、楽しくて仕方のないものです。
そもそも、趣味やプライベートと仕事の間に明確な線引きをする必要があるでしょうか。固定観念や周囲の評価に囚われない、自分らしい生き方をしたいと考える方は男女問わずとても多く、その一例として私が軽井沢に移住し、その暮らしぶりをブログで発信していくことはまた新しいビジネスチャンスになると思っています。今はインターネットとSNSを活用すれば、これまで仕事になり得なかったこともビジネスとして成立する時代です。自分を客観視し、強みを生かせる道を模索しながらどんどん仕事を創り出したいと思っています。

『仕事は最大の趣味であり、楽しくて仕方のないものです』?安本由佳

置かれた環境の中で何ができるか考える

最近は、奥地に引っ込んで農業をしようというのではなく、東京とちょうどいい距離感の場所に暮らしながら田舎暮らしをしたいという人が増えていると思います。そうした時代の流れの中で、軽井沢に住まいを移して東京と行き来をしながらきちんとビジネスを成立させている様子を発信することは説得力があるのではないでしょうか。 とはいえ、誰もが軽井沢のような場所で暮らしながらビジネスを始めましょうなどということは言うつもりはありません。今回の移住はあくまで私の長年の夢であり、それまで身を置いてきた環境の中で培った経験とネットワークを使って実現させたことです。そもそも人はそれぞれに生きてきた環境やネットワークが違うわけですから、その中でできることをやればいいのです。つまり、自分の置かれた環境の中で何ができるのかを真剣に考えることが大切だと思います。おぼろげながらも、そうしたことを考えている女性の背中をちょっと押してあげるのがこれからの私の仕事だと思っていて、サロンや教室の開業を支援する事業を今秋に法人化する予定です。
実際に独立してサロンを開くにしても、素敵な家だから生徒さんが集まるわけではありません。ビジュアル面も多少は大事ですが、本質的には、仕事に取り組むことによって自分自身が変わり、活き活きと輝いている姿を見せることがなによりです。人はカタチだけのライフスタイルに魅かれるのではなく、むしろその人自身の生き様のようなものに憧れを持つと思います。またそれは内面から滲み出るものなのではないでしょうか。果たして、今の私がどれだけそれを体現できているかは分かりませんが、限りなくそんな女性であるよう努力したいと思っています。

『活き活きと輝いている人に、憧れを持ちます』?安本由佳
編集後記
軽井沢に住んで、東京と行き来しながらサロン経営のコンサルティングを行っている。実際にお会いする前は「どんなお嬢様だろう?」と思っていました。ところが実際にお話しを伺ってみると、現実的に自分の人生を見つめて、理想の暮らしに近づくよう計画を立て、それを実現するためにアクティブに活動されるしなやかなビジネスパーソンでした。女性ならではの視点。女性ならではの発想。勉強になりました。(編集部ライター・吉村高廣)

取材協力:株式会社ラディエンヌ/ELLEREVE
代表:安本由佳
ブログ:http://ameblo.jp/yuka-yasumoto/
■記事公開日:2015/07/22
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼渡部恒雄=撮影 ▼撮影協力=株式会社ラディエンヌ

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