着眼・最前線 着眼・最前線

着眼・最前線

家庭や職場に心からの笑顔を取り戻す『自然療法』というアプローチ。

誰しも心の隙間に芽生える、不安や不満、自己嫌悪。
そんなネガティブな感情を受け入れて、心のバランスを取り戻す、
『自然療法』に着目、着眼した浅窪豊子さんに聞きました。

自然療法は現代人に必要なセルフメディケーション

現在こちらのサロンでは、アロマセラピーやメディカルハーブ、さらにはフラワーエッセンスなどを用いた『自然療法』で暮らしの中に笑顔を取り戻すお手伝いをしています。今の日本人は「満たされない症候群」とでも言いましょうか、子育てや人間関係、仕事や将来に対する漠然とした不安、さらにはトラウマなどを抱えている方がとても多く、自分の人生は満たされていない考える方が少なくありません。そうした方々に「今のあなたの人生に足りないものはないんですよ」と気づいていただき、ありのままの自分を受け入れて、元気を取り戻していただくことがこのサロンの主たる目的です。

植物というのはそもそも癒しのパワーを備えた存在です。観賞しているだけでも心が落ち着きますし、森林浴に代表されるように、緑の多い場所に行くだけで脳波が整ったりα波が出るということが化学的にも立証されています。このサロンが提唱している自然療法は病を治癒する医療行為ではありませんが、植物が本来持っているエネルギーを応用して心の錆びを落とし、心身の癒しにアプローチしてゆくという、現代人に最も必要なセルフメディケーションの一つであると考えています。

とはいえ、人は自分の実体験を通して得た結論からでしか説得力のある言葉は導き出せません。自然療法がいかに素晴らしいものであったとしても、それを伝える私に「熱」を感じることができなければ「自分もやってみよう」とは思わないはずです。6年前にサロンを開いて自然療法が心身の及ぼす効果を伝え、その言葉に賛同してくださる方が年々増えているのも、かつては私自身が押しつぶされそうな悩みを持っていて、その悩みをアロマセラピーやハーブによって解消されたという実体験を持っているからだと思います。
『ありのままを受け入れよう、そう思える人は案外少ないもの』浅窪豊子

悪循環の毎日を変えたアロマセラピーとの出会い

私には現在17歳になる娘がいます。彼女は生まれてしばらくすると人が普通にできることが上手にできないことが分かってきました。病院の先生に相談したところ、その時点では明らかな診断が成されず、何らかの障がいがあるかも知れないけれど、もしかするとただののんびりちゃんかも知れないので「しばらく様子を見ましょう」ということでした。結果的に年長さんの頃に、軽度・中度の知的障がいとADHD(多動性注意欠陥症候群)と診断されたわけですが、それまでの数年間は私にとってまさしく暗黒の時期でしたね(笑)。

私自身は、勉強でもスポーツでも自分が「やりたい」と思って頑張れば良い成績を挙げられる子供でした。ところが自分の子供がそうでないことに耐えられず、私は娘を受け入れることができませんでした。また何より、そんな感情を持つ私自身が許せなかった。私が母親としての頑張りが足りないのか、娘の頑張りが足りないのか、その理由が欲しくて育児書を読み漁りましたが答えはみつかりませんでした。良いと思われることもいろいろやりましたが結局だめでした。とはいえ子育てを放棄するわけにはいきません。その頃は八方塞でしたが、人から同情されるのも嫌で、幼稚園や公園では明るく振舞って、家に帰ってくると泣きながら「なぜできないの!」と娘にキツく当たってしまう。そうした悪循環が続き私は次第に心身のバランスを崩していきました。そんな時、初めてアロマセラピーに出会ったのです。

きっかけは幼稚園のママ友のお誘いでした。それまでも、毎日が辛くて仕方がないので楽しいことをたくさんしようと思っていました。ママ友と頻繁にランチに行ったり、ショッピングに行って好きなものを買ったり。全部自分へのご褒美です。なのにちっとも気持ちが楽にならないし、笑顔になれない。ところがアロマ教室に入った瞬間、部屋の中に漂うアロマの香りに、そこで出していただいたハーブティーの美味しさに私は完全に癒され、今までの自分を許せるようになったのです。自分勝手に聞こえるかもしれませんが、その結果、私は娘を受け入れることができるようになり、心からの笑顔を取り戻せたのです。


『物質的なご褒美を得ても笑顔になれない自分がいた』浅窪豊子

母親が笑顔になれば、家族みんなが笑顔になる

それまでの私は本質的な幸せとは何かを理解できていなかったのだと思います。美味しいものを食べたり、ショッピングをしたりすれば一時的には辛いことを忘れることができます。しかし、いくらそんなことをしてみても私の心の闇を切り裂く解決策にはならない。人が感じる幸せとは、物質的な豊かさよりも、もっとナチュラルに五感に訴えかけてくるものからでしか得ることができない。そのことに初めて気づき、もっと深くアロマセラピーのことを知りたいと思い勉強を始めました。とはいえその時は「アロマで仕事をしよう」という発想はありませんでした。もっと純粋に「私自身の心地よさ」の追求が今に至っているわけです。

暗黒時代の自分の生活を振り返ってみると、自分のためにハーブティーを入れて飲んだり、自分のためにお風呂にアロマをブレンドして入れたりするような余裕はありませんでした。子育てのことで頭が一杯になって私がつまらない顔をしていれば、主人だって面白くはありません。働いて家族を食べさせて、休みの日には家事、育児を手伝っているのに、家に帰れば妻が面白くなさそうな顔をしてカリカリしている。これじゃあたまったものではありませんよね(笑)。それが、私がアロマセラピーを始めて少しずつ余裕が出くると、家庭内にも笑顔が増えるようになっていきました。これは、子供の障がいの有無にかかわらず、子育て真っ最中のご家庭なら、多かれ少なかれ必ず直面する「家庭の壁」ではないでしょうか。

つまり、自分が変わり笑顔になれるようになることによって、家族みんなが幸せな気持ちになれる。そこが私の着眼点です。だからこそ私はその事実を多くの方に伝えたいのです。もっと直接的に言ってしまえば、その家庭のお母さんが変わればその家庭も変わるのです。さらに極論するなら、家庭というのは社会における最少単位であるわけで、より多くの家庭が健やかであたたかい場所となれば、その延長線上の社会全体も幸せになり、世界中の人々が笑顔で過ごせる平和があるのだと信じています。
『自分自身の心地よさの追求、それが原点』浅窪豊子

自分で自分を救う手だてをどれだけ持っているか

本当は大丈夫ではないけれど強がって笑ってみたり、限界がきているのにさらに頑張ってみたり、完ぺきではない自分や他人を責めてみたり。そうしたことで常に思い悩んでいれば、顔から笑顔は消えるでしょうし、どんどん心は病んでいきます。そしてそんな姿を近くで見ている人は、おそらく同じような気持ちになるはずです。だからこそ、済んでしまったことにはとらわれ過ぎない、先のことを考え過ぎない、これが大事なのです。

とはいえ人間は、それほど能天気でいられる生き物ではありません。誰だって何かの拍子に過去や将来のことを考えてしまうことはあるはずです。ただ、そうした気持ちになりかけた時に、自分で自分を救う手だてをどれだけ持っているかが大事だと思うのです。その最も効果的なツールが、私にとってはアロマセラピーでありメディカルハーブであり、フラワーエッセンスなのです。

またこの効果は、より広いフィールドできっと役立つと思います。たとえば、企業の中に自然療法のカウンセラーを置いて疲れたビジネスパーソンの悩みを聞いたり、アロマをブレンドしたりハーブティーを提供してみたり。そうしたことが当たり前に行えるようになれば、きっと職場にも笑顔が溢れるはずです。


『過去や将来にとらわれ過ぎず今を笑顔で過ごす』浅窪豊子
編集後記
浅窪さんがお話しされる一つひとつが私ごととして身に染みました。家庭的には子育ても終わり、仕事も概ね順調と言えますが、将来のことを考えると「なんとなく不安な気持ち」が募っていました。今回のお話は、まさしくそこをご指摘されているのだなと改めて実感。ということでさっそく実践...いま私は「ベルガモット」というアロマの香りの中でこの原稿を書いています。近々、ハーブティーにも挑戦します。(編集部ライター・吉村高廣)

取材協力:自然療法スクール&サロン『あったかハート』
代表:浅窪豊子
URL:http://warmingheart.info



■記事公開日:2016/02/23
▼編集部=構成 ▼編集部ライター・吉村高廣=文 ▼渡部恒雄=撮影 ▼撮影協力=自然療法スクール&サロン『あったかハート』

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