50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ 50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

社交ダンス 興味を持ったら、二の足踏まずに、ステップ踏んで!

『Shall we ダンス?』という映画をご存知でしょうか。
これ、といった趣味を持たない、ある企業の経理課長が、帰宅途中の車窓から見えていたダンス教室に思い切って入会。最初は照れながらステップを踏んでいたものの、次第にダンスの虜になって、ついには競技会を目指すまでに...という内容。中高年の共感を呼び、大ヒットした映画でした。今回、社交ダンスを実際に体験してみて(といっても基本のステップだけですが...)、映画の主人公の気持ちがよく分かりました。かなり奥が深そうですが、このシリーズ企画を通して、もっとも楽しく、爽やかな汗を流せたチャレンジでした!
体験に先立ち、今回のチャレンジでお世話になった"ハセガワダンスアカデミー"の長谷川太一さんと釜田愛さんに話しをお聞きしました。
社交ダンスは、趣味として楽しむ方がほとんどですが、上達してくると、競技会を目指そうと考え始める方も少なくないのだとか。年齢層も幅広く、皆さんそれぞれのスタンスで楽しんでいらっしゃるそうです。
また、社交ダンスの魅力は、なんといっても"パートナーの存在"です。個人競技は目的意識がないと長続きしませんし、集団競技は人数が揃わないと取り組むことができません。その点、社交ダンスは、初心者がひとりでスタジオを訪れても、先生がお相手を務めてくれるため、パートナーに困ることもありません。楽しみながら汗を流すことができる、極めてスポーツの要素が高い"生涯の趣味"だとおっしゃいます。
ひとえに"社交ダンス"といっても、エレガントなワルツ、情熱的なタンゴ、明るくリズミカルなチャチャ、この他にもダンスのバリエーションはさまざまです。今回わたくしがチャレンジしたのは、社交ダンスの入門ともいえる"ブルース"というスローテンポのダンス。映画『Shall we ダンス?』の中で、主人公が自宅で奥さんに教えて一緒に踊ったダンスです。

最初のポイントは上半身の姿勢と構え。社交ダンスは上半身がブレるとサマになりません。そこでまず、上半身をガッチリ固めるべく、とっても親切な長谷川先生による、手取り足取りの指導が開始されました。
上半身が固まったたら、いよいよステップです。ブルースのステップは、決して難しいものではありません。両足を閉じたところから、左足から前へ二歩踏踏み出して、三歩目の左足を軸として右向きにターン、ここでいったん足を閉じます。閉じたところから今度は、左足から後ろへ二歩下がって、三歩目で左足を軸として左向きにターン、再び足を閉じます。このステップの繰り返しながら、ダンスフロアを反時計まわりに移動します。

ところがそこは、やっぱり初心者。どうしても足の運びが気になって、ずっと下を向いていたため、上半身を起こすようにと先生からのご指摘が。確かにこれではパートナーに失礼です。胸を張りましょう!

上半身を固め、足の運びをひと通り習ったところで、いよいよパートナーを迎えて社交ダンスの実践です!ところが、めったなことでは緊張しないわたくしが、ナチュラルな美貌の持ち主・釜田先生との超接近によって、肩のチカラが抜けなくなってしまいました。挙句の果てには、後ろにまわった長谷川先生から「リラックス、リラックス」と言われながら肩を押さえつけられる始末...。

恥ずかしいやら、情けないやらのひと幕でしたが、でも、このとき「ああ、これだったんだ!」と、中高年の男性が社交ダンスにハマるわけが分かりました。パートナー(女性)をリードしながらダンスを踊れるようになるまでには練習が必要ですが、その過程は決して苦しいものではありません。むしろ、心躍るものですらある!これまでの辛かったチャレンジの数々が、走馬灯のように頭の中を流れ去りました。

よからぬ妄想にふけっていると、ふたたび背後に忍び寄った長谷川先生が「ちょっと失礼」と、わたくしの耳を後ろに引っ張り、アゴを上げます。社交ダンスのポジションは、ペアの二人が真正面から向き合うのではなく、それぞれの右半身が向かい合い、微妙な距離をとって構えるのが基本。もちろん互いの視線が交わらぬよう、双方ともやや左上を向いてポーズを決めます。そうとも知らずわたくしは、至近距離から先生の横顔ばかりを眺めていたわけです。

実は、このポーズをどれだけきれいにキープできるかが、社交ダンスの見栄えに大きく影響します。ところが、これが案外難しい。さほど複雑ではないブルースのステップとはいえ、顔をあらぬ方向を向けた状態で、前後に足を進めるわけです。そもそも、一人でステップを練習するのとパートナーとダンスを踊るのとでは、ペースや気配りがまるで違います。先生の足を踏みはしないかとビクビクしながら足運びの練習を反復しました。
足の運び方を写真で解説しましょう。ダンスのスタート時は、男性が左足を前に出し、女性は対面の右足を後ろに引きます。二歩目は男性が右足、女性が左足と交互にステップを踏んでゆくことになります。ここで男性が足をまっすぐ出せていないと、パートナーの足を踏みつけてしまうことになります。

また、男性の歩幅が広すぎれば、上体を相手にぶつけてしまうことになり、狭すぎれば逆に、距離が開きすぎてパートナーとの一体感がなくなります。そうしたことばかり考えていると、笑顔が消えて、ぎこちないダンスになってしまうのです。よく「ダンスは二人の息が合っていないとダメ」と言われますが、それは上級者のこと。息が合っているに越したことはないけれど「社交ダンスは技術」というのが実感です。

そしてこれが、45分ほどのレッスンを受けたラストダンスの写真です。ややぎこちなさはあるものの、まずまずのカタチになってはいるのではないでしょうか。実感としては"頭で考え過ぎず、その気になること"これが一番大事なことのように思いました。 社交ダンスというのは、それぞれに特長のある音楽(今回の体験はブルース)に合わせて、自分たちペアが、その場の"主役"になったような気持ちで踊れば、多少のミスはあっても楽しい時間が過ごせます。もちろんこの日は、先生とわたくししかいなかったわけですが、この瞬間わたくしは、明らかに主役気分で踊っていました。
体験を終えて
社交ダンスは男性が女性をリードしながら踊るものですが、今回の体験では、すべて先生にリードしていただき、なんとかカタチになりました。そうした初級者ならではの反省点はともかく、社交ダンスがこれほど楽しいものとは知りませんでした。理由を考えてみると"非日常"という言葉がぴったりです。女性の手をとり、リズムに合わせてダンスを踊る...日ごろのわたくしからは想像ができない姿がありました。(挑戦ライター吉村談)

長谷川太一先生・釜田愛先生から

"社交ダンスは敷居が高い"と思われている方も少なくないと思います。ところが実際に始めてみると「もっと早く始めればよかった」という方がほとんどです。社交ダンスを始める方は、ずいぶん前から「やってみたいな」とか「どんなものだろう」といった"興味"をお持ちなのです。にもかかわらず、「なんだか照れくさい」という理由で先延ばしにされていらっしゃる方が多いようです。しかし、少し照れくさいのは最初のうちだけのことです。そんな気持ちも吹き飛ばす、楽しさと感動が、社交ダンスにはあります。

取材ご協力

ハセガワダンスアカデミー
〒111-0051 東京都台東区蔵前4-33-9 エニックス蔵前201
http://hasegawadance.com/
■記事公開日:2017/05/26 ■記事取材日: 2017/05/19 *記事内容は取材当日の情報です
▼監修・構成=編集部 ▼文=吉村高廣 ▼撮影=田尻光久 ▼体験者=吉村高廣

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