50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ 50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

卓球 老若男女を問わず、 長く続けられる趣味として!

運動不足解消や健康維持を目的にスポーツをはじめても、何かしら目標がないとなかなか長続きしないもの。そこで「やるからには、試合に出たい!」という方にお勧めしたいのが卓球です。誰もが一度はラケットを握った経験があるでしょうし、年齢や性別もそれほど関係ないため、あまり気負わずはじめることができます。また、全国各地でさまざまなレベルの大会が頻繁に開催されているので、目標にも事欠くことがありません。
さてさて、前回の社交ダンスで気をよくしている挑戦ライター吉村高廣のチャレンジはいかに! 東京新宿は高田馬場『目白卓球倶楽部』を訪ねました。
「卓球をやるなんて20数年ぶり。でも、そこそこできると思いますよ」と、余裕たっぷりに笑顔でストレッチするチャレンジャー。
かつて挑戦した"護身術"や"太極拳"のときのような緊張感は感じられません。でもまぁ、ここが卓球の良いところなのです。20数年前に体験したのは"卓球"ではなく"ピンポン"のレベルでしょうが「経験がある」というのは、気持ちをリラックスさせてくれるものです。

そこに、今回コーチを務めてくださる林直樹さんが登場。2種類のラケットを差し出して「どちらにします?」と問いかけます。
1つは片面だけにラバーを貼った"ペンホルダー"というタイプ。もう1つは両面にラバーが貼られた"シェークハンド"というタイプ。
「そりゃ、こっちでしょ」と迷わずペンホルダーを手に取ります。ところが林コーチいわく、最近はシェークハンドが主流で、ペンホルダーを使う人は10人に1人くらいだとか。「なんだか違和感あるなぁ」とブツブツ言いながらも「最近の主流」という言葉に負けて、シェークハンドでレッスン開始となりました。

まずは構え方を習います。ラケットは身体の正面。足は肩幅よりやや広く、卓球台と平行になるように。軽くひざを曲げて前傾姿勢をとり、構えたときにラケットが卓球台に当たるか当たらないかというあたりに立つ。これが構えの基本になります。「あとは脇を締めて、ひじを起点に身体を回転させながらラケットを振るだけです」と林コーチ。

その姿勢のまま、しばらく素振りを繰り返すものの、見ていてどうもぎこちなさが際立ちます。単刀直入に言うと、おもちゃのロボットみたいな動きで"かっこ悪い"のです。ゴルフなどでもそうですが、最初につくった基本姿勢を崩さずに、身体の回転でボールを打つという感覚をつかむのは難しいもの。これはけっこう時間がかかりそうです...。
しばらくすると「とりあえず打ってみましょうか」と、林コーチから声がかかります。卓球台をはさんで向き合い、コーチが打ち返しやすい玉を出してくれるのですが、案の定うまく返せません。ラケットが上を向いたり下を向いたり"手打ち"になっているため、ボールがあらぬ方向に飛んでしまうのです。

カメラマンからも「あれ?、さっきはそこそこやれるなんて自信満々だったけど、どうしちゃったのかな?」と、きびしい指摘が。
開始早々「これはどうなるものやら...」と思っていたところ、コーチからひと言、「ラケットの面を卓球台と90度に固定して、それを維持しながら振ってみてださい」というアドバイスが。すると、今までの暴打が改善されて、相手コートにきちんとリターンされるようになったのです。


魔法のひと言でようやくカタチになってきたところに、コーチからさらなる指摘が。「振り遅れているので、ボールがすべて僕の正面に帰ってきています」。
コーチいわく、それは基本姿勢が守れている証拠なので「決して悪いことではない」のだとか。だからこそ打球がブレずに一定のところに返ってくるのだそうです。「ただ、相手のフォアスペース(ラケットを持った手の側)にボールを返せなければラリーが続きません。なので、少しだけ身体を早めに回転させてみましょう」。すると、またもやそのアドバイスが功を奏し、しっかりフォアスペースにボールが返るようになりました。

この変化には「そうそう、いいですね!」とお褒めの言葉がかかります。コートを取り囲んでいた編集スタッフも、チャレンジャーの適応力に驚きつつ、なにより、コーチから繰り出される端的かつ的確なアドバイスに感心しきりでした。

ところが、しばらくするとふたたびリターンが不安定に。言われたことを忠実に守ろうとするあまり、上半身が次第に硬くなっていくのが見てとれます。それを察したコーチからも「身体に力が入ってきましたね、力を抜きましょう」と声がかかるものの、今度はなかなか適応できません。するとコーチは玉出しをいったん止めて意外なアドバイスを繰り出しました。「左手にボール1つを握ってプレーしてみてください」。

すると、不思議なことに、ぎこちなかったフォームも改善されて、再び安定したボールが返せるようになったのです。間髪入れずに「お腹にも力を入れてください」という声が飛びます。それ以後は、見違えるような打球を返せるようになっていきました。
つまり、意識が左手とお腹に向かったことで力が分散され、自然と上半身の力が抜けたというわけです。これには見ていた編集スタッフたちも「なるほどね?」と驚くばかり。一方チャレンジャー本人は鼻高々といった様子で「ようやく勘を取り戻しましたよ」などと軽口がでる始末です。

その後、呼吸のポイントなどを注意されつつもラリーはテンポよく続き、リズミカルで軽快な打球音が連続して場内に響くようになりました。さらには、意外や意外! 難易度が高いとされるバックハンドへの対応力が高く、これにはコーチも「うまいですね!」と、さらにチャレンジャーを調子づかせます。

最後のレッスンではスマッシュの連打が行われましたが、これはなかなか大変だったようです。チャレンジ開始からおよそ40分ボールを打ち続け、さらに時間にして約3分間、渾身のスマッシュを連続してヒットするというのは、体力的にも技術的にも相当きびしいものがあったようです。
最後の一打を打ち終えて、卓球台の横にへたり込んでしまったチャレンジャーにコーチがひとこと...「誰が見ても、最初より見違えるように良くなりましたよ。週1回1時間、1年間練習を続ければ試合にだって出られるようになります」。そんなコーチの言葉に、疲労困憊気味のチャレンジャーも思わず笑顔。

ちょうどこの日は、目白卓球倶楽部の会員同士で試合を行う月例会の当日。さまざまな年代の人たちが三々五々集まり、ラリーをはじめていました。もしかすると来年の今ごろ、チャレンジャーの姿がその中にあるかもしれません。

月例会に参加されていた大場義行さん(46歳)にお聞きしました
「『ビンポン』という漫画を読んで興味を持ち、会社の仲間4人とはじめたのですが自分だけしか続かなくて(笑)。そんなときにここをみつけて、週1回1時間、ちょうど1年になります。教わってみると自己流とは全然違って、習い甲斐があり、すごく気持ちいいですよ。思うようにはなかなか打てませんが、だからこそおもしろい。飽きっぽい自分でもこれならずっと続けられる趣味になると思っています。もはや完全に生活の一部。大会に出ても迷惑にならないくらいまで上達することがいまの目標です」

体験を終えて
卓球のように誰でもやったことがあるスポーツほど、基礎的なところからしっかり学ばないとダメだと実感しました。自己流でもある程度は楽しめますが、技術を伸ばすことはできないと思います。技術的に成長できれば、違った魅力に気づき、新しい目標が生まれ、長続きする趣味になるはずです。(挑戦ライター吉村高廣)

コーチの林直樹さんから

卓球は誰でもできるスポーツで、ほかのスポーツに比べるとローカルの大会がとても多く、目標を立てやすい競技です。うちの会員さんの最高齢は78歳。元気にラケットを振っていらっしゃいます。最初に基礎をきちんと習えば、何年でも続けられますし、どんどん技術も向上します。試合に出ることを目標にしなくても、少しずつ技術が向上していくのは、きっとモチベーションになるでしょう。当倶楽部はいつでも会員募集中なので、ぜひ一緒に楽しみましょう!

取材ご協力

目白卓球倶楽部 プライベートサロン
〒69-0075 東京都新宿区高田馬場3-18-25 第一康洋ビル3F
http://hp.mejirotth.com/
■記事公開日:2017/08/25 ■記事取材日: 2017/08/09 *記事内容は取材当日の情報です
▼監修・構成=編集部 ▼文=藤田健児 ▼撮影=田尻光久 ▼体験者=吉村高廣

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