50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ 50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

50才すぎて初トライ!挑戦ライター吉村高廣のチャレンジ・スポーツ

護身術は、セルフコントロールで始まり、セルフコントロールで終わる。

草食系男子という言葉が流行したのは今から8年ほど前。恋愛に苦手意識を持つ、弱々しいイメージの男性のことを言いました。さらに遡ること数年前、2000年ごろ、おやじ狩りというのがあったことを思い出します。どうやら男が弱くなってもう15年も経つわけです。ことさら男が強い必要はないかもしれませんが、やはりイザというときは、敵から身を護る術ぐらいは心得ておきたいものです。
そこで体力が衰えてきた50才過ぎのキープレス編集ライター吉村高廣は「ペンは剣より重し」ではあるが、それは基本の体力があるからこそ言える言葉ではないだろうか?との気持ちから、剣(つるぎ)護身術(東京都墨田区錦糸4-15-1 墨田区総合体育館武道場)の門を潜りました。
日本には古来、武道や武術と呼ばれる、柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、銃剣道などがあり、体を鍛え、精神を磨き、道徳心を高めるという、いわゆる人間形成の道があります。もともとは闘いのための術や人を制圧する技だったようですが、今では人格を磨き、礼節を尊重しながら体を鍛える「心身鍛錬」方法として知られています。

剣(つるぎ)護身術も基本の道は同じです。まずは道場に入る前に一礼。挑戦ライター吉村も緊張しながら一礼します。いきなり護身術の技を習うのだろうか・・・そんな不安をよそに、丹田呼吸法で心と体を落ち着かせていきます。「静的なトレーニングで恐怖心を取り除いていきます。動きの安定性を高めます」。今回、体験指導をいただくのは、剣護身術代表の黒木博文さんです。「丹田呼吸法は自律神経でコントロールする呼吸法です。下腹にある丹田という場所を意識して呼吸をしていきます」。なかなか分かりにくい呼吸法でしたが、丁寧な指導で徐々に習得していきます。
精神を落ち着かせ、統一させていきます。まるで瞑想かヨガのように静かなる時間が過ぎます。10分ほどの丹田呼吸法のあと、ゆっくりと深呼吸をしてクールダウンさせます。そのあと軽いストレッチとなります。「呼吸だけで、心が落ち着きました。でも体内のどこかがポカポカした感じ(吉村談)」。高揚してきたようです。

「では、イザというときに安全に回避できる術を覚えましょう。覚えるというよりは、反射的に体が回避する術を身につけるというイメージです」。ここからがいわゆる武道・武術とは違ってきます。実際に暴漢に襲われた状態を想定して、その場からいち早く脱出し、無事に生還するための術を体験します。その最大のポイントは?黒木さんにお聞きしました。
「負けない気持ちを持つ。落ち着いて冷静に対応できる精神です」。チカラ技で相手を抑え込むのではなく、まず先ほどの丹田呼吸法に戻り、セルフコントロールすることが最大のポイントだと言います。いささか拍子抜けの感じですが、あとからこのコントロールの大切さを思い知ります。

「目をつぶって、指先で敵の動きを"感じて"ください。全身を皮膚感覚にしてください」。相手のチカラを利用して、チカラのベクトルを自分に引き寄せるイメージを利用すると、暴漢をおさえるチカラの何倍もが自分のパワーとなって撃退できるらしい。「全身が繋がっている感じで。バラバラに動いている自分を指先中心に一つにしていきましょう」「相手の動きを感じるということは、危険を察知することです」。一つ一つの動きは、すべて精神鍛錬の上に成り立っているということを学びます。
目を閉じたままグラップリング(腕にがっぷりよつに絡まれた状態)を解く術を体験します。何度も何度も、からまれます。何度も、目をつぶって相手を察知する訓練をしていきます。さらに察知したら、迷わずに自ら相手の懐に飛び込むことを体得していきます。「目をつぶっているから、感覚がわからない(吉村談)」というのが正直な気持ちではないでしょうか。しかし不思議なものです。短時間のうちに「殺気を感じる」「気配がする」というレベルまで体験者吉村はレベルアップしたようです。
護身術は、相手を倒すのではなく、物理的なダメージを与えて逃げる、という技です。ここからが剣護身術の真骨頂です。「襲われそうな殺気を感じたら、後ずさりしないで、相手の中に入り込む。その行動は、相手に精神的なダメージを与えます」「自分がとんがった塊になって、懐に突っ込んでください」。このシミュレーションは、何回も練習を重ねて身につけていきます。
「ここでもセルフコントロールする、丹田呼吸法を思い出し、冷静になり、チカラを指先に集約する。それも一瞬の間に」。今回の護身術の体験は、セルフコントロールに始まり、セルフコントロールで終わる。これこそが弱者の兵法だそうです。40才、50才からでも強くなる護身術は、ビジネスで闘う上での精神鍛錬にも役立つかもしれません。
体験を終えて
察する、という研ぎ澄まされた感覚を身につけるのが護身術の第一歩だとは知りませんでした。日頃からセルフコントロールを心がけて、さらに体力を鍛え、暴漢からの回避技を身につけておくことは、都会というジャングルで仕事をしていく今の時代には求められてしかるべきではないでしょうか。(挑戦ライター吉村談)

代表の黒木博文さんから

現代人が本来持っている本能的な防御する技を反射神経として蘇らせて、イザという時のために自然体で構えられるようになるまで練習をすれば、ご年配の方、女性の方でも護身術は身につきます。それは「気」であり「精神修行」にもつながる高貴な技です。ぜひ体験してください。

取材ご協力

剣(つるぎ)護身術
〒132-0035東京都江戸川区平井6-23-21
http://www.tsurugi-sd.com/
■記事公開日:2014/12/09
▼編集部=監修・構成 ▼編集部ライター・渡部恒雄=文 ▼渡部恒雄=撮影 ▼編集部ライター・吉村高廣=体験者

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